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Twitter内蔵テレビ/レコーダーの大きな可能性

公開日 2010/02/26 15:41 ファイル・ウェブ編集部:風間雄介
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昨年のコラムの中で、テレビを“ソーシャル化”すれば面白いのでは、というようなことを書いた。

その記事の主題であったソニー「進化するテレビ」についてはまだ追加情報がないが、その後Twitterを本格的に始めてみて(アカウントはこちら)、これをテレビやレコーダーに組み込めば、記事に書いたことと同じような機能を手軽に実現できるかもしれない、と考え始めた。

Twitterを利用中の方には言わずもがなだろうが、テレビとTwitterとの親和性は意外と高い。『天空の城ラピュタ』が放映された際、崩壊の呪文「バルス」がTwitter上で連呼されすぎてサーバが落ちたというニュースも目にしたし、実際にタイムラインを眺めていても、テレビを見ながらツイートしている方がかなり多い。

記者自身も、今回のオリンピックの速報を仕事中に知りたいときは、Twitterのタイムラインをチェックすることが多かったが、さほど不便は感じなかった。実況中継を行っているアカウントでは、大手ポータルが行っているテキストベースの中継より、よほど更新が速かったからだ。

テレビとTwitterを結びつける試みは、すでにいくつか始まっている。「ピーチク」や「ツイテレ」がその代表例だろう。これらは、基本的にはテレビを見ながらツイートされたデータをまとめて表示するサービスだ。

またつい先日には、Twitterで出会った男女の友情を描いたドラマ『素直になれなくて』(公式サイト)が、4月からフジテレビで放映されることも発表された。どうやらTwitterが主題というわけではなさそうだが、こういうドラマが登場するのも、Twitterの社会的な認知が進んだ表れと言えるだろう。

ということで今回は、Twitterをテレビやレコーダーに組み込んだらどんなことが実現しそうか考えてみた。なおTwitterをよく知らない、使ったことがない、という方も多いことだろうが、一から解説し始めるとそれだけで特集が組めてしまう。概要はこちらに詳しいので、ぜひご覧いただきたい。

■Twitter対応テレビで何ができるか

テレビ画面を表示しながら、画面端にTwitterのタイムラインを表示するTwitter対応テレビができれば、視聴者はフォロワーの反応や関連ツイートを見ながらテレビ視聴を行える。タイムライン表示は基本的に縦長なので、視聴画面の大きさをそれほど損なうことはないだろう。

タイムラインは様々な設定を保存しておいて、かんたんに切り替えができるようにする必要がある。たとえばテレビ局があらかじめハッシュタグを用意している場合は、そのタグが書かれたツイートだけを表示する。そうすれば視聴しているユーザーの生の感想をチェックできる。また、実況中継しているアカウントが見たければ、そのタイムラインだけを表示しておく、などといった使い方も考えられる。もちろん、前述の「ピーチク」や「ツイテレ」との連携もあり得るだろう。

Twitter対応テレビの画面イメージ

もう一つ、タイムラインをさかのぼって見ることができるというTwitterのメリットを活かすことで、リアルタイムが基本のテレビ放送をうまく補完できるはずだ。たとえば番組の途中から視聴を開始した場合、タイムラインをさかのぼれば、これまでの番組の流れを追うことができる。スポーツ中継などで便利な機能となるだろう。

さらに、ツイートをテレビ画面上にオーバーレイ表示すれば、ニコニコ動画風の視聴体験も可能になるはずだ(画面とツイートにタイムラグが生じるだろうが、これは仕方ない)。自分で書いておいて何だが、これは番組によってはかなり鬱陶しいことになりそうな予感があり、賛否両論が分かれそうな気もする。

ここまで読んで、ネット+放送の2画面表示可能なテレビなら同じようなことができるじゃん、とお気づきの方もいるだろう。ただし、通常のネット+テレビの2画面表示では、ネット画面の方が大きくなっている。これは、ある程度のサイズや解像度を確保しないとウェブブラウジングが快適に行えないためだが、これではテレビとTwitterの快適な同時視聴はできない。

この記事で提案したいのは、ネットが主、テレビが従ではなく、あくまでテレビ視聴をもっと楽しくするために、Twitterをサブ的に利用するという考え方だ。

もう一つ付け加えておくと、BRAVIAなどで展開しているウィジェット機能「アプリキャスト」でもTwitterとの連携は可能だろうが、アプリキャストではアプリの縦の長さが一定に決められているようだ。これでは大量のツイートを一覧することは難しい。Twitterのメリットを活かすなら、やはりなるべく多くのタイムラインを表示しつつ、テレビ視聴も大きな画面でストレス無く行える画面レイアウトが望ましい。

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