音質・快適さ・デザインすべてに妥協したくない人への「最適解」イヤホンはコレだ!「HUAWEI FreeBuds 6」徹底レビュー
「超高感度デュアルドライバー」など徹底したこだわりで音質を追求
FreeBuds 6最大の進化点であり、僕が最も時間をかけて検証したのが音質だ。
FreeBuds 6はインナーイヤー型としては画期的な「超高感度デュアルドライバー」を搭載。クリアな高音域を再生する高音域振動板ドライバーと、迫力ある低音を生み出すために刷新された11mmデュアルマグネット構造のダイナミックドライバーを組み合わせたハイブリッド構成。インナーイヤー型でハイブリッドという構成の作り込みも相当なものだ。
FreeBuds 6のサウンドを支えるのは、この卓越した物理的なドライバーだけではない。
アップグレードした音質最適化技術、具体的には、耳道の形状、装着状態、そして再生音量レベルをリアルタイムに検知し、常に最適なサウンドへと補正するテクノロジーがFreeBuds 6のサウンドを引き上げている。
FreeBuds 6音質レビュー:「楽曲の魅力を引き出すのが上手いイヤホン」
実際のFreeBuds 6のサウンドを聴き込んでみよう。
まず、試聴曲の定番YOASOBI「アイドル」では、冒頭から押し寄せる情報量の多いサウンドに見事に追従する。複雑に絡み合うシンセサイザーの各フレーズはきらびやかでありながら混濁せず、クリアで芯のあるボーカルラインを際立たせる。
特に、バスドラムとベースが生み出す低音のビートは力強くタイトだ。音場はインナーイヤー型として十分に広く、耳の外のスピーカーから各楽器の定位を明確に描き分ける。

次に、宇多田ヒカル「BADモード」を試聴すると……この曲は特に相性がいい。楽曲特有の抑制の効いたサウンドプロダクションは、肉厚なサウンドとそして楽曲全体を包むアンビエントな響きを生み出す。ボーカルは繊細かつエモーショナルで、ここも適度な抑揚で空間に浮かぶ。中盤から加わるパーカッションの歯切れの良いリズムも心地よい。
Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」を聞くと、パワフルな低音のリズムよりも先にラップの歌声が空間を飛び交うように一音一音驚くほどクリアに聴き取れることに感心する。重厚なベースラインとキレの良いビート、そしてキックドラムとの音分離の鮮明さ。聴き込めば聴き込むほど、FreeBuds 6の立体的なサウンドを実感する。
最後にROSÉ & Bruno Marsのコラボレーション楽曲「APT.」。イントロのキャッチーなギターリフからして音の定位が最高。ファンキーで躍動感あふれるベースラインの表現力も面白く、楽曲の魅力を引き出すのが上手いイヤホンなのだ。
ROSÉとブルーノ・マーズという二人のスーパースターのボーカルの掛け合いも魅力的で、特にROSÉのクリアで鮮やかな歌声と、ブルーノ・マーズの歌声はその表現のニュアンスも丁寧に描く。音の分離が良く、複雑なアレンジの中でも2人の歌声まで聴き取れる所が印象的。
ちなみに、僕のFreeBuds 6を使った音楽リスニングは、高域に刺さる要素がない所を活用して、普段よりも大音量で聴き込むスタイルがお気に入り。FreeBuds 6の開放感と空間の広がり、これを最高に堪能できるのだ。
ノイズキャンセリング機能も効果的。「非常にうまいアプローチ」
そしてもう一つ、FreeBuds 6はインナーイヤー型ながらアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能も搭載している点は見逃せない。「インナーイヤー型(開放型)なのにノイズキャンセル……?」と思ってしまう所だが、都内の電車内で試すと、これが効果的なのだ。
カナル型のような強力な遮音性はそもそもないのだが、ゴーッという走行音や周囲のざわめきといった環境騒音のレベルを明らかに落としていて、その全体の聞こえ方の体験として極めて自然。音楽リスニングではボリュームを過度に上げなくても楽曲の細部まで楽しめるようになる。
AIスマート音量調整機能とも連携し、騒音レベルに応じて自動的に音量を最適化してくれるため、常用向きのノイズキャンセリング効果としてインナーイヤー型として非常にうまくアプローチしていると感じた。
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