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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第269回】

ASMR=ダミヘ?カナル型じゃない=インイヤー?増加する“現代オーディオ用語”を知る

公開日 2023/03/16 06:40 高橋 敦
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閑話休題。ダミヘ界隈では常識?な言葉たち



KU 100[ケーユーひゃく][クーひゃく、と呼ぶ人も]
定番にして超ハイエンドなノイマン社製ダミーヘッドマイク。「KU 100使用!」をアピールするコンテンツの多さも、そのクオリティがリスナーにまで広く知られているからこそ。100万円超のお値段であるが、ASMRつよつよVtuberトップ陣は予備機まで確保していたりする。それほど欠かせない機材ということだろう。

安心感さえあるいつものアイツ、Sennheiser KU100

なお、その発言があった下記参照配信では参加メンバーに機材投資総額が質問され、癒月ちょこさんは「3」、竜胆尊さんは「1」、周防パトラさんは「80」、白銀ノエルさんは「14」と回答。単位はぼかされているが、KU 100だけですでに100万超な時点でお察しだ。



黒DIO(黒耳)/白DIO(白耳)[くろディオ/しろディオ]
3DIO社のバイノーラルマイク「Free Space」シリーズの通称。ハイエンド機「Free Space Pro」は「黒DIO」や「DIOの黒耳」、スタンダード機「Free Space XLR」とエントリー機「Free Space」は「白DIO」や「DIOの白耳」と呼ばれている。

黒/白の呼び名の由来は外観色の違い。価格はKU 100よりはお手頃な、税込79,970円から359,700円で、ハイエンドの黒DIOはKU 100と同じく「黒DIO使用!」のようにアピールされることも多い。

黒Dioこと3Dio Free Space ProU

白Dioこと3Dio Free Space

しかし有識者の白銀ノエルさんからは、「白耳には(耳の中に仕込まれている)マイクに覆い被さっているフェルトみたいなカバーがあって、それが耳かきするときにいい音が鳴る。だから耳かきは白耳がいいなあと思う。んだけど、マイク自体の性能は黒耳の方がいいんだよね。声の素敵な人がささやきとかを届けるには黒耳の方がいいのかなと思ったりする」といった発言も。単純に黒が上で白が下とは考えない方がよさそうだ。

KU 100との比較においても、上記配信にてお気に入りのマイクを聞かれた癒月ちょこさんは「配信だったら3DIOの黒かな。KU 100はちゃんとしたスタンドじゃないとだめなんだよね。3DIOはちっちゃい脚立で平気」と、配信時のセッティングのしやすさという優位を挙げて3DIOと回答。

また周防パトラさんからは「KU 100じゃなくてもいい音出るよ!と思わせたくて使い分けてる。白マイクで耳かきもするし、黒マイクは高音がくっきりしてまたこれもいいみたいな」というお話も。この世界も奥深い。

なお、3DIOのマイクは見ての通り頭部全体を模しているわけではないので、これらは厳密にはダミー「ヘッド」マイクではない。のだが場面によってはざっくりと「ダミヘ(の一種)」的に扱われる場合もある。そこは柔軟に受け流しておこう。以下は白銀ノエルさんの参照配信動画。



カナル型 “じゃない” イヤホンの呼び方、オープン?インイヤー?



続いてのテーマは「カナル型 “じゃない” イヤホン」をピックアップ。もうテーマ名の時点で不明瞭だが、というのもまさにその「カナル型じゃないイヤホンって何て呼べばいいの?」の混乱がこのテーマの議題だからだ。

何はともあれ問題の「カナル型 “じゃない” イヤホン」とはどんなものを指しているのかを確認しておこう。はい再びこちらの写真だ。

じゃない方!

つまりAirPods Proを「カナル型イヤホン」の代表とすれば、無印のAirPodsが「カナル型 “じゃない” イヤホン」の代表である。では、その具体的な定義はなんだろうか?それにはまず、「カナル型」の定義をはっきりさせることで、対する「カナル型 “じゃない” 」の定義もはっきりさせられるはずだ。

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