HOME > レビュー > IMAX Enhancedで「最高峰のシアター体験」を自宅でも。そのメリットや導入方法を解説

PR通常の映画鑑賞と何が違う?

IMAX Enhancedで「最高峰のシアター体験」を自宅でも。そのメリットや導入方法を解説

公開日 2022/12/08 06:30 鴻池賢三
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
映画館に足を運ぶ読者なら「IMAX」というワードを、一度は目にしたことがあるのではないだろうか? IMAXは通常上映と比べて、チケット価格も少し割り増しとなるが、それ以上の体験ができる「プレミアム」な存在として映画ファンの間で人気を集めている。その理由が、巨大スクリーンと没入感を高めるサラウンドサウンドだ。

IMAXでは大画面と高品質なサウンドを楽しめる

こうしたIMAXの圧倒的な没入感を自宅でも楽しめたらいいのに…と思うかもしれない。実はこれを実現させる「IMAX Enhanced」というプログラム(枠組み)が存在するのだ。しかも注目したいのは、コンテンツと機材の両面で賛同企業が増加中で、少し手を伸ばせば届く存在になっていることだ。

「IMAX Enhanced」が新たに誕生した

そこで今回、IMAX Enhancedの技術パートナーであるDTSの日本オフィス(dts Japan)を訪問して取材を行った。実際に体験して分かったのは、単なる機能の一つではなく、IMAXのこだわりとその明らかな成果。アスペクト比や画質といったスペックや技術内容にとどまらず、相乗効果によるエクスペリエンスの向上に目を見はった。

本稿ではIMAX Enhancedで得られる体験の魅力について詳しく掘り下げるとともに、自宅に導入するにはどのようにすればよいか、その方法についても解説していきたい。

ポイントは高画質・高音質・大画面



IMAX Enhancedのポイントは3つ。IMAXの特徴ともいえる「大画面」と、IMAXがこだわり続けてきた「高画質」、そしてDTSによる「高音質」だ。

IMAX Enhancedの特徴はIMAGE/SOUND/SCALEの3つ

そもそもIMAXは、視野を覆い尽くす大画面による、疑似体験のような没入感を志向している。ミュージアムや万博会場などで、短編の自然映像などを見た経験がある読者も多いはず。むしろ、中高年層にはその記憶が強いかもしれない。近年は映画劇場でもIMAXによる巨大スクリーンが、「プレミアム」な上映方式として定着しており、支持者も多い。

IMAXに対応する映画作品の場合、「見せ所」のシーンでアスペクト比が一般的な横長のシネマスコープ(2.35:1)から、画面の上下を拡張して、比較的正方形に近い1.43:1や1.90:1へと面積が広がる。横長で水平方向の視野を広く覆うシネマスコープは理に叶っているが、1.43:1や1.90:1ではまた違った表現ができ、制作者も観客にも、新たな可能性をもたらしてくれる。

IMAX Enhancedでは、より上下に広い映像が楽しめる

ここで、話をテレビやプロジェクターといった家庭用の映像装置に移そう。これらは横縦比が16:9で、アスペクト比に置き換えると1.77:1。お気づきだと思うが、IMAXデジタルのアスペクト比(1.90:1)と相性が良い。シネマスコープ作品では上下に黒帯が入るところ、IMAXシーンでは全画面に映像を広げることができる。これがIMAX Enhancedのポイントの一つで、視界が広くなったかのような効果が得られる。

次に、IMAX Enhancedの高画質とは何か。まずフォーマットとして4K/HDR対応であることが前提で、さらなるこだわりは、IMAX独自のDMR(デジタル・メディア・リマスタリング)技術を用いてマスタリングが行われること。この作業には、コンテンツホルダーとIMAXによる協議のもと、作品や製作者の意図に応じて調整が施され、「IMAX Enhancedお墨付き」の画質に整えられる。これによって視聴者は、安心して作品に没頭できるのだ。

独自のマスタリングで色鮮やかな映像に

最後になったが、サウンドは原則として、IMAX Enhancedプログラムの技術パートナーである「DTS」の技術を用いて、IMAX の劇場用ミックスをテレビやオーディオなどのホームシアター機器用に変換している。(現時点では、Disney+で配信中のIMAX Enhancedコンテンツは収録音声がDTSに対応していないが、対応する準備を進めているとのこと。)

DTSによるサラウンドサウンドに対応

IMAXシアターで公開されるすべての映画は、IMAXと映画製作者や作品のサウンドチームが一緒に協力して、完全に特別のIMAX版サウンドトラックを制作している。IMAXのサラウンドサウンドは、フルレンジのスピーカーと客席全体に広がる力強い低音域のマネージメントが特徴だが、ホームシアターで重低音を鳴らすには、サブウーファーを用いる必要がある。そこでIMAX Enhancedのタイトルは、オリジナルミックスのダイナミックレンジを維持しながら、「唯一無二」のサウンドトラックを忠実に再現するようリマスターされ、躍動感や没入感を特徴とするIMAXのサウンド体験をホームシアター向けのDTSのイマーシブ・オーディオに落とし込んでいる。

ちなみにDTSは、映画『ジュラシック・パーク』とともに誕生し、来年でちょうど30周年となる。DTSの技術は、映画劇場に高音質な5.1chデジタルサラウンドをもたらし、現在までに進化を続けてきた。そのDTSとIMAXのこだわりの結晶が、IMAX Enhancedというわけだ。

DTSは30周年

次ページIMAX Enhancedを体験。違いは没入感だけではなかった

1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック: