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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第267回】

業務分野のトップランナー「アシダ音響」が熱い!人気沸騰のヘッドホン/イヤホンを一斉レビュー

2022/08/01 高橋 敦
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音楽用イヤホン「EA-HF1」



シルバーとチャコールグレーの2色展開

改めて、音楽用イヤホン「EA-HF1」を紹介しよう。ステムやスティック、うどんと呼ばれるあの下に伸びる部分こそないものの、最近ではあまり見かけなくなった「昔ながらの普通のイヤホンにイヤーピースを付け足したようなフォルムのカナル型イヤホン」だ

1959年開発したの同社ウルトラ・フルレンヂHi-Fiスピーカー「6P-HF1」がデザインモチーフ

このフォルムは円筒型やイヤーモニター型と比べて大口径ドライバーを搭載しやすいという強みを持つが、このEA-HF1はどうかというと……なんとドライバー口径は15mm!イヤホンとして最大クラス!いきなり期待が高まる。

そのほかのポイントは以下の通り。写真と合わせて確認していただきたい。

イヤーピース取り付けステムが短めなので……

音がステムを出てからイヤーピース内を通る距離は長め。イヤーピース交換の効果は良くも悪くも大きく出やすい


イヤーピースはSS/S/M/Lの4サイズが付属。Mはやや大きめで他社だとMLと表現されるサイズに近いかも

ケーブルは少しペタペタとした感触。プラグや分岐部はカット部分の輝きがアクセント

注目のサウンドは、余計な力みや、不自然な重み・厚みのない素直な中低域に、高域の軽いアクセントによるアタックの明快さなどが持ち味。

再生周波数帯域は5Hz - 40kHzと超ワイドレンジだが、そのレンジの両端までを無理にフラットに伸ばすことなく、そのワイドレンジ内で無理のないナチュラルバランスにまとめられている印象だ。

宇多田ヒカル「BADモード」のバスドラムやベースでは、中低域の力みのなさを特に感じられる。豊かな響きを出しながらも、力感や圧を強めすぎることはないのが見事。「自分大口径なんで力んだりしなくとも普通に低音出せますんで(大口径ドライバーさん談)」的な余裕を漂わせる鳴りっぷりだ。

高域側ではギターのチャリンという鈴鳴り成分の響きが際立つ。超高域ではなくその手前、ギター的に美味しい高域の具合がよい。

Robert Glasper Experiment「Human」のサブベース帯域まで伸びるベースは、最初に聴いたときには、音の伸びや抜けが不足して少し詰まった印象だったのだが……再生音量を少し上げるとその詰まりも解消。大口径ドライバーであるので、アンプからある程度しっかりとパワーを入れて駆動&制動してやるのがよさそうだ。

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