映画も音楽もB&W流の極上サウンドに！サウンドバー「Panorama 3」実力チェック

筐体は単純なバー型ではなく、前面からサイドのグリル面に陰が生まれるデザインが施されていて、見た目から受ける印象は実サイズ以上にスリム。天面は全体がパンチングメタルになっていて、中央部には手をかざすとボタンが浮かび上がる。エレガントな佇まいには、B&Wというブランドの格を感じずにはいられない。

音質チューニングは「800 Series Diamond」を手掛ける音響エンジニアリングチームが担当する。スピーカーユニットは、外部からはグリル越しにわずかに見える程度だが、詳細を見てみるとかなり豪華な構成だ。全13基のユニットを、10ch・合計400WのクラスDアンプで駆動している。

まずフロントL/Rとセンターチャンネルはエンクロージャーからデカップリングされた19mmのチタンドームトゥイーターと、2基のミッドレンジドライバーの3ウェイ構成。さらに、L/Rのチャンネルの内側にあたる位置に、上向きの100mmのサブウーファーを搭載。このサブウーファーに筐体の容積の大部分を占める空気室を与えることで深く伸びやかな低音再生を狙っている。加えて、50mmのユニットによるイネーブルドスピーカーをL/Rそれぞれに搭載していて、これらが立体音響の高さ表現を担う形だ。

端子類には、テレビの接続用にeARC対応のHDMIと光デジタル入力を装備。Wi-Fiを内蔵するほか、LAN端子を備えて有線接続にも対応する。

また、ネットワーク接続時には最近のB&Wのスピーカーで採用する「Bowers & Wilkins Music」アプリを経由して、DeezerやSoundCoud、TuneInなどを再生可能。Amazon Alexaも内蔵し、音声操作にも対応する。また、Spotify Connectによる再生のほか、Alexa Cast機能を利用してAmazon Musicの再生も行える。さらに、アップルのAirPlay 2対応のため、Apple Musicアプリ等からのキャストも可能だ。

リモコンは付属せず、各種操作はHDMI（eARC）接続のCEC連動によるテレビ側のリモコンか、スマホアプリで行う。このあたりは現代的なサウンドバーらしい設計だ。

B&Wらしい一貫性を感じられる上質なサウンド

実際に「Panorama 3」を自宅に設置してみると、テレビから地デジ放送の音声が流れ始めた時点で、すぐに「これはプレミアムな製品だ」と判断できてしまうほどに上質なB&Wサウンドだ。

ニュース番組を見ているだけでも、男性アナウンサーの声に深みがあるし、声そのものが音空間まで感じとれるほどに高解像。女性アナウンサーの声色は質感も出ていて、高域まで粒立ち良くがよくどこか華やかだ。

歌番組はバンド演奏のサウンドフィールドが豊かに立ち上がり、歌声も音楽のなかでしっかり存在感を放つ。サウンドバーの本体よりやや高めにサウンドフィールドを展開し、テレビ画面の映像と音がしっかりマッチ。この音場表現にもB&Wのサウンドチューニングを実感する。

少しテレビ番組を見ただけでも高い実力を感じることができたが、「Panorama 3」の底力を体験するのはここからが本番だ。