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「ウォークマンのハイエンドならでは」への期待に応えられるか?

超ハイエンドウォークマンの進化具合は? ソニー「NW-WM1ZM2 / WM1AM2」徹底レビュー!

2022/03/24 高橋 敦
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■操作性:工夫されたフォルムで大型DAPとしては持ちやすい

まず操作性、使いやすさについて。Android化&大型化が同時に来たので不安を覚えている方も多いだろう。その点についての今回のテストでの印象を簡潔にまとめると、

●ソフトウェア面:Androidになっても音楽再生操作を「W.ミュージック」アプリが担っていることに変わりはなく、操作感に大きな違いはない。
●ハードウェア面:大型化による持ち心地の変化は否めないが「大型機としての使いやすさ」は十分に確保されている。
といった感じだ。

基本の音楽再生は「W.ミュージック」アプリで。こちらの操作性は前モデルと変化なし。アルバム、アーティスト、ジャンルなどから選択できる

DAPのソフトウェア面での操作感は結局、音楽再生アプリのインターフェース、その操作感に大半を依存する。そしてNW-WM1シリーズにおけるそれは、Linux系独自OSであった前世代でも、Androidとなった今回でも、変わらずに「W.ミュージック」アプリだ。であるので、ソフトウェア的な操作感に大きな違いは生じていない。

Android端末のため、音源のコピーには「Android File Transfer」アプリが使用できる

故に前モデルと新モデルの操作感の違いのほとんどは、ハードウェア面、主にサイズ感の違いから生まれている。前モデルは、当時としては大柄だったが、男性なら手に握り込んでしっかりグリップして操作できる、収まりの悪くないサイズ感だった。

新モデルは現在の感覚からしても大柄で、握り込むというよりは手のひらに乗せた上で指でつかんで固定するような感覚。手の中への収まりはよろしくはない。

しかし前モデルとの比較ではなくイマドキの大型ハイエンドDAP同士での比較であれば、NW-WM1AM2は十分に持ちやすい部類であり、また置いたときにも使いやすい。ポイントは筐体のフォルム。

大型だが手に馴染みやすいサイズ感。上面は少し膨らんで握りやすい形状となっている

筐体上部の背面を膨らませた形状のおかげで、それより下の厚みはかなり抑えられている。そしてその薄い部分を持つと、上側の膨らみが人差し指に引っかかって筐体の保持をサポート。背面パネルの仕上げにも適度な滑り止め効果がある。

その膨らみが必要とされた理由は持ちやすさのためではなく、でっかいコンデンサー入れたい!その方が音が良くなるから!という開発チームのわがま……こだわりのようだが、それを転じて持ちやすさにもつなげた見事な工業デザインだ。

またその膨らみは、本体を置いて使う場合には、奥側を少し持ち上げて傾斜を付けてくれる。操作のしやすさも画面の見やすさもちょい足しされる印象だ。大型重量級だからこそ持たずに置いて使う場面も多くなるだろう。その際の使いやすさにも貢献している。

使いやすさの面では他に、ピンなどを使わず爪先で簡単に引き出せる仕組みのmicroSDスロットも目に留まった。「自分はmicroSD使わないんで関係ない」と思うことなかれ。「microSDスロットひとつまで妥協がない」という開発姿勢、そういった細部の工夫の積み重ねがあってこそ、ウォークマンとしての総合的な使いやすさが生み出されているのだ。

SDカードスロットも前モデルから変更。スロットを引き出してマイクロSDカードをはめ込む形になっている

■バッテリー:容量大幅アップの力技でスタミナ自慢継承

高音質と高効率を兼ね備えるフルデジタルアンプ技術「S-Master」などによるバッテリー駆動時間の長さも、ウォークマンシリーズの愛されポイント。その駆動時間がAndroid採用や大画面化で削られてしまっていないかも気になるところだ。

結論から言えば、そこも大丈夫そう。
カタログスペックとして、FLAC 96kHz/24bit再生の条件で、
●前モデル:約30時間
●今モデル:約40時間
と大幅アップしているし、実機試用の感触としても問題はなさそうだった。取材試聴時は細々と操作しまくるためディスプレイはほぼずっとオン。通常利用よりも過酷だ。それでもバッテリーゲージが目に見えてドンドン減っていくなんてことはなかった。

もちろん駆動時間は「どの端子で/どんな音量で/どんなスペックの音源ファイルをメインに/どの高音質化機能をオンにして」などの使用環境次第でかなりばらつくこともあり得る。

しかしカタログスペック40時間となれば、仮にその半分になってしまうほど厳しい使用環境が存在したとしても、それでも20時間だ。半分の力しか出せない環境でさえ最強クラスのスタミナという恐ろしさよ。

今回からWMポートではなくUSB typeCになったことも大きな変更点

なお駆動時間延長はシンプルにバッテリー容量アップによって実現されており、大型筐体の強みを活かした形。それでいてUSB-C採用のおかげで充電に要する時間は短くなっているのも嬉しい。

ちなみにそもそもの大型化の理由だが、トレンドを追ったわけではないらしい。開発チームの説明を意訳すると「音質向上のためにまずは筐体なしの状態で遠慮なく物量をぶち込んだ試作機を作ったらよい音にできた。それを収めるためにこの大きさの筐体が必要になった。筐体が大きくなったから画面もバッテリーも大きくできた。反省はしていない」とのこと。「反省はしていない」は筆者の主観による補足だが、完全にそういう顔をしていた。

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