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Polk Audioのスピーカーはなぜ「安くても高音質」なのか? 新入門機「Monitor XT」でわかった魅力

2021/11/30 土方久明
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また、搭載するウーファーはカーブドコーンとストレートコーンを使い分けて搭載するほか、フロア型のMXT60/MTX70ではパッシブラジエーターにディアルサスペンションを使うことで歪みを低減、さらに共振周波数を変えるためにウエイトを追加するなど細部まで徹底している。

パッシブラジエーターにはディアルサスペンションが用いられている

そして最後のポイントは、「ゴールデンイヤーズ」と呼ばれる社内チームだ。グレコ氏によると、Polk Audioのゴールデンイヤーズは、マスターと言われる一人と、弟子的な2名によって構成され、創業者のマシュー・ポーク氏が提唱するサウンド思想を守り続ける音質評価チームとして存在。ポークサウンドを継承している彼らが徹底したリスニングテストを行い、音質をチェックすることで、Polk Audioのスピーカー製品は完成するという。

ネットワークについても妥協していない

つまりMonitor XTは、コストを抑えながら音質を上げるために様々な工夫をこらしつつ、上位モデルが採用する技術も投入し、さらにゴールデンイヤーズによる徹底した音質チューニングも行われるなど、おおよそエントリーモデルとは思えないほど力が入った内容が詰め込まれているということだ。

ブックシェルフ2モデル「MXT15」「MXT20」を試聴

さて、ここからは実際の試聴レポートに入りたい。今回はAmazon Musicのハイレゾソースを中心に試聴した。

まずは、最も小型の2ウェイブックシェルフスピーカー「MXT15」を試す。2.5cm径のテリレンドームトゥイーターと、13cm径のバイ・ラミネート・コンポジット・ウーファーを搭載するモデルだ。

「MXT15」

MXT15の裏側

実物と対面すると、キャビネットサイズはかなりコンパクトで、いかにも設置性が高そうだ。気になる音質傾向だが、まず低域はサイズの割にしっかりと出ている。適度にブライトな音色で音離れが良い音で、全帯域に適度な密度があり音楽をレスポンス良く鳴らしてくれるスピーカーといえる。

BTSの「Butter」は、イントロのエレクトリックバスドラムが明瞭で、小音量時にはしっかりと、そして音量を上げても大きく破綻しない。女性ボーカルのエスペランサ・スポルティング「Songwrights Apothecary Lab」は、ボーカルの質感に色気があり、センターに定位する音像はコンパクトだ。

これでペア2万円台なのかと感心するしかないサウンド

クラシックの「マーラー:交響曲第1番 ニ長調 ≪巨人≫/花の章」(山田和樹、読売日本交響楽団)は、金管楽器の艶やかな質感が印象的で、ボリュームを絞ってもスケール感や解像度が損なわれないのも良い。ステージ表現は悪くなく、チープさも感じられない。これがペア2万円台のスピーカーなのだから感心するしかない。

続いて、標準的なサイズの2ウェイブックシェルフスピーカー「MXT20」を試聴する。ユニット構成としては、2.5cm径のテリレンドームトゥイーターと16.5cm径のバイ・ラミネート・コンポジット・ウーファーとなる。

「MXT20」

先に聴いたMXT15の音は明るくグルーブ感があり “充分にいい音” と言えるが、比較すれば本機で再生した音は、より中域から高域に余裕を感じる。BTSは積極的で面白みのある陽性な質感だ。

また、エスペランサ・スポルティングは、ベースにふくよかさが出て、ピアノの音の余韻もより感じられるようになる。ボーカルの定位や質感表現も価格以上に感じるし、山田和樹はオーケストラの壮大さが出てきて、抑揚表現並びにメロディの旋律に音楽的な余裕が生まれる。

次ページ続いてフロア型の2モデルをチェック

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