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空きコンセントに挿すだけの手軽にできるノイズ対策

フルテック「NCF Clear Line」のベストな導入法を自宅システムで検証

公開日 2021/10/30 07:00 鈴木 裕
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「NCF Clear Line」1個で納得の効果を狙うなら、この順番で使うといい
■ソースない付帯音が減少し、透明感を増して音像を明瞭にしてくれる

「NCF Clear Line」の内部。エアコイルはα(Alpha)OCC単結晶銅導体エナメル線に「2段階〜超低温処理および特殊電磁界処理〜α-Process アルファプロセス」を採用。外層は高性能シルバーカラー特殊制振塗料コーティングで振動を抑制

最初に、「NCF Clear Line」をひとつ装着するのはどこがいいか。いろいろやった結論は、CDプレーヤーの電源ケーブルの横に装着した時だ。この時の再生音は透明感が増して、程よくコントラスも強く、音像が明瞭に見えてくる。また、高周波のノイズはソフトに入っている元の音にまとわりついて、音像どうしが癒着するような悪影響を与えるが、それがかなり減少している。

さて、2番目に効果があったのはプリアンプかパワーアンプの横か悩むところだが、パワーアンプの電源プラグの横に挿した時を挙げておこう。オーディエンスの拍手の量が妙に増えて雑然と鳴っていた感じが、ずいぶん抑えられている。大きく言うと、音楽ソフトに入っていない付帯音が減少しているのだ。

音色的には雑味がなくなり、音像的にはまとまりが良くなる。S/N感が良くなるために、アンプの駆動力が増して、押し出しがいいように感じられるのもいい。ただ、空間の透明感や見通しの良さについてはCDプレーヤーの電源ケーブルの横に挿した方が良く、このあたり、いわゆる「上流がいいか下流がいいか論争」につながってくる。

ちなみにプリアンプの横に挿した時は、CDプレーヤーの横よりも、低音の音像がはっきりしたり、サウンドステージがやや手前に展開して、音楽に近い感じが出てくる。プリの役目は絵で言えばデッサンで、まさにその要素の表現力が上がっている。ただし、高域の歪みっぽさが残るし、比較するとCDプレーヤーの横の方が効果が大きい。

「NCF Clear Line」は、対象としたい機器の電源プラグ直近に挿すのがより効果的。写真はNCFコンセントを搭載のFURUTECHの電源ボックス「e-TP609 NCF」(187,000円、税込)

ハイファイ性能をさらに上げたいなら増設がお薦め
■2個目3個目と増設すると、音の純度はどんどん向上する

以上が「NCF Clear Line」をひとつだけ使った時の効果だが、できれば2つ目、3つ目を使いたいところだ。実際にやってみたが、上記の効果のある順番、つまりまずCDプレーヤーの電源ケーブルの横、2つ目をパワーアンプの横、3つ目をプリの横、というように増やしていくと、音の純度やハイファイ性能はどんどん上がっていく。

「ノイズは外部からだけでなく、それぞれのコンポーネント自身でも発生し、電源ケーブルを通して還流させる」というのが筆者の考え方だが、特に、デジタルを扱うコンポーネントや、CDプレーヤーやアナログプレーヤーのようにモーターを回転させるもの、そしてパワーアンプのように大電力を消費するものに対して「NCF Clear Line」は効果が高い。ということで、複数使用も使いこなしの案として考えてみてほしい。

【NCF Clear Line】●サイズ:約39.5W×88.4Lmm●質量:約69g(ネット)●全ての導電性パーツはロジウムメッキ+アルファプロセス処理●優れた振動減衰特性を持つマルチマテリアルハイブリッド構造

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