【特別企画】音質を徹底的に重視した設計

デノン初完全ワイヤレス「AH-C830NCW/C630W」の“独創的な音”はどう作られた? サウンドマスターが語る開発秘話

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山本 敦

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2021年10月19日
デノンからブランド初の完全ワイヤレスイヤホンが2機種同時に発売される。アクティブ・ノイズキャンセリング(ANC)機能を搭載する上位の「AH-C830NCW」と、1万円を切る手頃な価格でデノンサウンドの旨みが満喫できるスタンダード機の「AH-C630W」だ。

今回デノンのサウンドマスターである山内慎一氏に、ふたつのイヤホンのチューニングをどのように練り上げてきたのか聞く機会を得た。

ANC機能を搭載する「AH-C830NCW」(¥OPEN/想定実売価格19,800円前後)

アンダー1万円の価格でデノンサウンドを楽しめる「AH-C630W」(¥OPEN/想定実売価格9,900円前後)

■サウンドマスターとは、デノンの最終的な音を決める人

デノンは昨年、ブランドの創立から110周年を迎えた日本を代表するオーディオの老舗だ。音楽リスニングを目的としたオーディオ用ヘッドホンの歴史も古く、今から約55年も昔の1966年に発売された「SH-31」にまで遡る。イヤホンもあらゆる形態の製品がデノンから発売されてきたが、意外にも今回発売を迎えた2機種が初の完全ワイヤレスイヤホンになる。

山内慎一氏はHi-Fiコンポーネントからイヤホンまで、デノンのブランドを冠するオーディオ製品すべてのチューニング、つまり音を決める重要な役割を担うサウンドマスターだ。

デノンが満を持して新しい完全ワイヤレスイヤホンを発売する背景には、スマートフォンとワイヤレスイヤホンとの組み合わせを中心に音楽を楽しむ若い音楽ファンにも、長年に渡り培われてきた「デノンの音」を伝えたいという開発一同の強い思いがあったと山内氏は振り返る。

取材に応じてくれたデノン サウンドマスターの山内慎一氏

■鮮やかで広がり豊かなサウンドがコンセプト

デノン初の完全ワイヤレスイヤホンの構想は昨年秋に立ち上がり、今年の春から本格的な音づくりが始まった。先行するライバルも多い完全ワイヤレスイヤホン市場の中、デノンらしさを前面に強く打ち出すために据え置き用のオーディオ機器とも共通する「Vivid & Spacious」な音を目指した。

発表会で説明のあった「Vivid & Spacious」な音の具体的なイメージ(2016年8月8日のPHILE WEBニュースより)

具体的には、鮮やかで広がり豊かなサウンドを実現するというコンセプトを立てて、開発チームがスクラムを組んで目標達成に挑んだという。

筆者が体感した実際の音とは?

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