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新骨伝導ドライバーにやみつき、Unique Melody「MEST MKII」は一度聴いたら忘れられないイヤホンだ

公開日 2021/10/15 06:30 草野晃輔
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頭の中のサウンドが厚みを増し、空間も拡大した

MEST MKIIの特徴が分かったところで、試聴に入ろう。DAPには、Astell&Kernの「A&ultima SP1000」を使った。

ノズルを耳道の奥まで差込み、シェルが耳の内側の肌にしっかり密着するよう、注意を払って装着する。骨伝導は、骨に振動がきちんと伝わることで性能を最大限発揮できる。密着が甘いと、振動が正しく伝わらず、本機の魅力が大きく損なわれてしまうのだ。ケーブルも耳たぶの裏側をしっかり通す。これで、多少体を動かしてもシェルがズレにくくなる。

新たな骨伝導ドライバーによる、“生々しい立体感”が加わった新サウンドが魅力!

これまでのMESTシリーズは、中域の表現力の巧みさが特徴であった。そこで、まずは女性ボーカル曲から『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の主題歌、宇多田ヒカル「One Last Kiss」を再生する。

情報量が多く濃密な空気伝導の音に、骨伝導の生々しい立体感が重なる。イントロからこれまでのイヤホンと音の性質が全く違うことが分かる。

潤った伸びのあるボーカルは、頭の中全体を走り鳴っているよう。サビでコーラスが重なると、音の厚みが一気に増す。骨伝導の振動も大きくなっているのか、頭全体に拡がる歌声に頭蓋骨自体がくすぐられるようだ。このムズムズした感覚は、一度味わうと病みつきになる。

曲全体に視野を広げると、低域の生々しさが大幅にアップしていることに気づく。これこそ、骨伝導ドライバーのカバー範囲がフルレンジに拡がった恩恵だろう。

次に聴いた、Official髭男dismの「Cry Baby」(48kHz/24bit)でも衝撃を受けた。非常に転調が多く、場面ごとにさまざまな表情を確認できるのが特徴の一曲だが、イントロは極めてドライで枯れたサウンドを聴かせる。

これが、Aメロに入ると一気に雰囲気がウェットになり、絡みつくようなベースがうねりながら頭中を刺激する。Bメロでは、そこからややフラットになり、ボーカルとコーラスが前に出てくる。低域から高域までのレンジが広く、ハイトーンなボーカルは気持ちよく伸びている。低域は締まりがあり、曲全体の落ち着いた印象につながっている。

全体的にウェットなままだが、音のトランジェントがよいため、重い雰囲気はない。そして、サビに入ると音の厚みが増し、彫りもグッと深くなる。あらゆる音が明瞭ながらも塊感を伴い、アグレッシブに頭の中を駆け巡る。これだけ、全く違う表情を描き分けつつ引き立てられるのは、卓越した空気伝導のサウンドの表現力があればこそ。料理で例えるなら、良い素材に下味をしっかり付けた状態といえよう。だからこそ、上にかけるソースの風味が引き立つのだ。

ダイナミックレンジの広さが生きるのも本機の魅力だ。それを実感したのが、クラシック音楽。小澤征爾指揮「レスピーギ:交響詩 ローマの松」(ボストン交響楽団)では、天井を感じさせない広い音場空間で、熱量の高い演奏が展開される。

人間工学に基づいて設計された筐体デザインを採用。骨伝導ドライバーの効果を損なわず伝えるフィット感を実現させている

ピアニッシモな場面では、普通のイヤホンでは思わずボリュームを上げたくなるほど音が小さいが、本機では骨伝導でしっかり音が耳に届くため、微細な音でもしっかり聞き分けられる。これが、フォルテシモになると分厚い音の波が、一気に音が頭内を駆け巡る。このギャップが楽しく、どんどんと新しい曲を再生し、試してみたくなる。

繊細な音を確かめたく、ビル・エヴァンス・トリオの名盤『Waltz For Debby』から、表題曲となっている「Waltz for Debby(Take 2)」を再生する。ピアノの質感を伴った繊細な音は一切ごちゃごちゃせず、一音一音が明瞭だ。ここに、ベースの力強い低音が重なり、頭中を刺激する。

ベースの音も極めて解像度が高く、弦のビビり音や、箱なりが生々しい。この繊細さとダイナミックさの饗宴が、ライブ感を引き立てている。この曲ではよく、周囲の気配を感じられるかを確かめているが、本機についてはついライブ感のある演奏に意識が行ってしまう。それほど、名演の再現度が高いのだ。



骨伝導ドライバー特有の頭内に拡がるサウンドは、一度味わえば忘れられなくなるほど魅力に溢れている。MEST MKIIでは、この骨伝導ドライバーをフルレンジ化し、その表現の可能性を大きく拡げた。どのジャンルもウェルバランスで表現し、音楽と真摯に向き合うのに最適なモデルといえよう。中高域の表現力に定評のある、第1世代のMESTも併売されるので、ボーカルやギターと行った中高域を中心に楽しみたいなら、こちらが最適解となりそうだ。

MEST MKIIの発売に合わせて、Unique Melodyの製品をお持ちの方に向けた、カスタム仕様「MEST MKII Custom」を優待価格で購入できるキャンペーンが展開されるそうだ。この機会に、表現力を高めた新感覚サウンドを味わっていただきたい。

(協力:ミックスウェーブ)

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