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【PR】弟機「A80」との比較試聴で違いに着目

音が猛烈に訴えかけてくる。AIRPULSE「A100 BT5.0」がアクティブスピーカーのイメージを変えた

公開日 2021/03/26 06:30 土方久明
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低域の表現力が凄い! “本気”のサブシステムにも最適

試聴はA80とA100 BT5.0を比較しながら行った。まずは筆者所有のスタンドに設置してガッツリと聞いてみる。再生ソフト「Roon」をインストールしたMacBook Proをトランスポートに用い、AIM電子製のUSBケーブルでスピーカーと接続した。アンプとD/Aコンバーターを内蔵するので、有線接続であっても試聴環境の構築は驚くほど簡単。上記の接続を終わらせた後、2本のスピーカーそれぞれに電源ケーブルを接続して、両者を1本のケーブルで結ぶのみだ。

「A100 BT5.0」(写真左)と「A80」(写真右)を比較試聴。筐体サイズはひと回りほどの差がある

まずは、ダイアナ・クラールが昨年6月に発売した『ディス・ドリーム・オブ・ユー』(96kHz/24bit)をA80で再生した。リボン型トゥイーターを採用しているだけあって、中高域の再生音は絶品だ。透明感があり、しかもハイスピード。彼女のボーカルは積極的な表情を聴かせ、ベースの明瞭度やレスポンスも秀逸。

A100 BT5.0に切り替えて同曲を再生すると、これが予想以上の違いを見せつけてきた。A80の個性を残しながらその枠から脱却したような、さらに聴き手に猛烈に訴えかけてくる音なのだ。その理由は間違いなく低域の表現力向上によるもので、ワイドレンジになりスケール感が大きく上がっている。

リボントゥイーターとホーンロードによってもたらされた、見晴らしが良くクリアな中高域に加え、低域方向のfレンジ向上と力感が備わったことで、どのジャンルの楽曲もダイナミックで堂々としている。ジョン・ウィリアムズ 『ライヴ・イン・ウィーン』(96kHz/24bit)は、押しがある圧倒的なオーケストラ表現で、サウンドステージの立体感や左右方向、奥行き方向もよく広がっている。

デスクトップシステムなどで壁際に設置するような場合でも、最適なサウンドが楽しめる

次に机の上のデスクトップ環境に設置し、aptXに対応するAstell&Kern「SE100」と組み合わせて、メロディ・ガルドー『サンセット・イン・ザ・ブルー』をワイヤレス再生した。この場合、理論的には有線接続した場合より音質が低下する。しかしaptXで接続されていることもあり、実用的には十分な音質である。A80は透明でさわやかな高域と歯切れの良い低音で、A100 BT5.0は先ほどと同様にダイナミックで押しの良さが付加される。

リボントゥイーターは聴感上の解像感があり、ベースラインにギターやボーカルがスポイルされないのも嬉しい。しかもこの再生システムの場合は、スピーカーの他に用意するのはDAPもしくはスマホだけで良いのだ。また、背面にあるダイヤルを動かすことで、Treble(高域)/Bass(低域)をそれぞれ±3dB調整できる。特にスピーカー背面が壁に近い環境になりがちなデスクトップ周りでは、ソース音源に対してアキュレイトなサウンドに調整できるのが嬉しい。

背面部には楕円形のバスレフ・ポートが備えられているほか、高域/低域を3dbずつ調整可能なダイヤルを装備する

圧倒的な音質向上。インテリアとのマッチングも良好

最後は筆者所有のテレビと組み合わせて使用した。これが可能なのもA80/A100 BT5.0には光TOSのデジタル入力が付いているからで、テレビとスピーカー単体を光デジタルケーブルで結ぶだけでテレビの音を高音質化できる。今回は、映像ソースにApple TV 4Kを用いて『フォード vs フェラーリ』を再生した。

作品冒頭のレースシーンでは、70年代のレーシングカーのエグゾーストノートが迫力満点だが、ここで大型化されたウーファーの威力が活きる。サーキットに反響するエグゾーストノートが広大に描画され、セリフもたいへん明瞭になるなど、その音質向上は圧倒的だ。最近のテレビはベゼルが細くなり、音質的に不利なので、追加でスピーカーを設置するメリットは大きい。しかもそのケースにおいては、アンプを内蔵して入力端子も豊富なA80/A100 BT5.0のアドバンテージが生かされる。

つまりテレビとも組み合わせることで、本スピーカーをコアとするシンプルかつ多ソース対応のオーディオ/ビジュアルシステムを構築できるのだ。また、ブラックが選択できるようになり、グロスカラーによってキャビネットの品が上がっているため、テレビまわりのインテリアとのマッチングも良好なことも記しておきたい。

スピーカーとしてのパフォーマンスの高さに加えて、テレビまわりのインテリアとのマッチングが良好なのも嬉しいところ

従来のオーディオは、アンプとスピーカーは別に用意するというセパレート思想を大切にしてきた。筆者自身、それを具現化するシステムを導入している1人だが、最近のアクティブスピーカーの音を聴いていると、「一体型も侮れないな」という気持ちが強くなる。

さらに新モデルのA100 BT5.0は、オーディオファイルの憧れの1つ、ホーンロードとリボントゥイーターを搭載したマニアックな内容はそのままに、A80よりもキャビネットサイズをひと回り大きくして、そこに大口径かつ強力な磁気回路を持つウーファーを搭載することで、低域の迫力や表現力を大きく向上している。これにより、オーディオ的再生能力および音楽性の両方が向上した。

また、A80譲りの設置性の高さをA100 BT5.0が引き継いでいるのも魅力。リスナーに向けて角度を変えることができるウレタン製アングルベースが付属するので、デスクトップなどのニアフィールドにも設置できるが、ここまでの音質を持つなら、メインシステムとしても使えるし、 “本気” のサブシステムにも最適だろう。そして相変わらずコストパフォーマンスが高い。

プロフェッショナルユースでは既にアクティブスピーカーが主流となっているが、システムをシンプルに構築できること、デジタル伝送とマルチアンプ駆動による鮮度の高い音が享受できること、さらにBluetoothの利便性の高さも利用できるなど、A100 BT5.0には多くのアドバンテージがある。そして、デジタルケーブルや電源ケーブルを変えて音質を上げる楽しみも残されているのも嬉しい。シンプルだが、たいへん使いがいのあるスピーカーだ。

(協力:株式会社ユキム)

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