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【PR】量感豊かで繊細な描き分けもできる、成熟した1台

個性派なのに正統派!Unique Melodyの3DD構成イヤホン「3D Terminator」が鳴らす高感度サウンドに驚嘆

2021/03/08 草野晃輔
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ダイナミック型の力強さと繊細な表現力を両立

ハイレゾ音源の試聴はAstell & KernのDAP「A&ultima SP1000」で、ストリーミング配信はiPhone 12 miniにアップル純正のLightning - 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタを組み合わせて行った。

ハイレゾ音源、ストリーミング音源をそれぞれ試聴した

まずはハイレゾ音源から再生する。本機を一聴して感じるのが、ダイナミック型ならではのエネルギー感に満ちたウォームで濃密なサウンド。ジャンルに得手不得手はなく、どんな楽曲も余裕たっぷりに奏でる。

そして、聴くポイントを細部に置くと、中域を中心に低域から高域までクリアーで十分に見通しがよいことがわかる。かといって、BA型のような張り詰めた感じはない。ダイナミック型の力強さを基本としながら、BA型に迫る繊細な表現力を両立させている。

ビル・エヴァンス・トリオの名曲「My Foolish Heart」は、冒頭のゆったり入るピアノの音が瑞々しい。ドラムのブラシワークやハイハットの繊細な音も明瞭で生々しく、高域はキラキラと輝く。空間表現も素晴らしく、広い空間にやさしく音が伸びていく。実に鮮度の高いサウンドで、アナログレコードを聴いているかのような心地よいサウンドだ。

ケルテス指揮、ウィーン・フィル演奏の『ドヴォルザーク:交響曲第9番 新世界より』では、本機の大きな魅力と言える “力強さ” を存分に味わえた。ゆったりとした繊細な旋律が多い曲だが、芯の通った音のため弱々しさは微塵も感じられない。一転して激しいパートでは、スピード感のある旋律をエネルギッシュに描いていく。この両者を描き分けるとは、3基のドライバーの実力が計り知れない。

Yesの「Roundabout」は、イントロのアコースティックギターがクリアーで艶やか。粘りのある低域がうなるような彫りの深いベースラインを構成し、曲全体が躍動する。リズム感が心地よく、何度もリピートで聴いてしまった。

ストリーミング音源はあえてスマホから聴いてみたが、力強いサウンドは想像以上。量感たっぷりのパワフルサウンドだ。これなら、ヘッドホンアンプは必要ないだろう。Official髭男dismの「Universe」は、ハツラツとしてリズムが心地よい。低域は厚みがあるのに軽快で、ベースやドラムが弾むように刻まれていく。音場は広いが、定位が明瞭でボーカルとの距離感がしっかりと保たれている。

女性ボーカルはYOASOBIのバラード曲「アンコール」を選んだ。中高域の表現力も高く、ボカロのように聴こえがちなサビのハイトーンも表情があるのがわかる。愁いを帯びた歌声が素直に心に届いてくるようだ。他にもEDMやアニソンなど幅広く聴いたが、個性的なドライバー構成とは裏腹に、楽曲の色を素直に力強く描写する正統派のサウンドであった。



3D Terminatorの試聴を終えて感じるのは、税込54,980円前後という価格が安く思えるほど魅力あるモデルであったということだ。3基のダイナミック型ドライバーが高域から低域までシームレスにつながり、量感豊かなサウンドを楽しませてくれた。密度の濃いウォームな音調は、正統派のピュアオーディオのようで、クセがなく聴きやすい。

個性派なドライバー構成ながら、正統派のピュアオーディオのようなサウンドを鳴らす、実力派の1台

同じもの二つとない木目が美しいハウジングも、大いに所有欲を刺激してくれるはずだ。3DDからスタートしたダイナミック型3基搭載イヤホンは、3製品目となる3D Terminatorで成熟の域に達したといえる。多くの方に試して良さを実感してもらいたい、心からそう思える逸品だ。

(協力:ミックスウェーブ)

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