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機動力と描写力を両立! パナソニック、新「LUMIX Sシリーズレンズ」レビュー

2021/01/22 河田一規
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■LUMIX S 85mm F1.8



SPEC ●焦点距離:85mm ●絞り値:F/1.8-F/22 ●最短撮影距離:0.8m ●フィルター径:φ67mm ●外形寸法:φ73.6mm×約82mm ●質量:約355g(フード、キャップ、リアキャップ含まず) ●対応センサーサイズ:フルサイズ ●対応マウント:ライカL

続く2本目は「「LUMIX S 85mm F1.8」(81,400円/税込)。パナソニックは、今後F1.8の単焦点レンズをシリーズ化することを表明しており、そのトップバッターとなるレンズである。

他に24mm、35mm、50mmがF1.8シリーズとして登場する予定となっており、レンズ外観のサイズやフィルター径を共通化することで、動画用レンズとして使用した際にリグが共用可能なほか、鏡胴パーツを共通化することで開発コストを抑えられるというメリットもあるという。

本レンズも、S PROレンズではなくSレンズということで、入手しやすい価格と小型軽量が魅力だが、だからといってS PROレンズに比べて露骨に作りが違うわけではなく、適度なトルク感のあるスムーズなフォーカスリングなど、操作感触は非常に良好だ。

写りは、絞り開放ではキチンとシャープな芯がありながらも、ガリガリに硬くならない、優しげな描写が非常に魅力的だ。85mmという焦点距離は別名ポートレートレンズとも呼ばれるくらいなので、本レンズの優しい描写設定は納得できる。

硬すぎる描写のレンズだと人物を撮影したときに髪の毛が針金のように描写されてしまいがちだが、本レンズではちゃんと髪の毛の柔らかさが伝わるような、適切な質感描写を得られる。

誤解しないでほしいのだが、優しい描写と言っても解像が悪いわけではなく、ちゃんと解像しつつも、決してエッジが硬くなりすぎない極上描写なのだ。

また、85mmくらいの中望遠レンズでは、必然的に画面内にアウトフォーカス部分が多くなるためボケ味も重要だが、こちらも非常に柔らかいフワッとしたボケ味で申し分ない。


他社レンズもそうだが、このような撮影条件では高輝度部の境目に偽色が発生することがある。ただし、RAW現像時に簡単に消すことが可能なくらい軽微だ。光学的に偽色をまったく発生しないように設計することも可能だが、そうなるとレンズがすごく大きくなってしまうわけで、個人的には軽微な偽色は出てもいいからレンズが小型軽量の方が嬉しい。


中望遠レンズの場合、どうしても絞り開放、もしくはちょっとだけ絞った状態での撮影が多くなってしまうが、もちろん絞り込んだときの描写性能も素晴らしい。


AFはリニアモーター駆動なので素早い。このような噴水でも動く水にスパッとピントが合うのに驚いた。


とろけるようなボケ味の良さは近距離だけではなく中距離撮影時でも存分に味わえる。


背景ボケだけでなく、前ボケもクセがなく自然な印象。周辺部では玉ボケ形状が口径食の影響でレモン型になるが、度合いとしては軽微だ。


今回は人物ポートレートではなくスナップで使ったが、ボケを活かして柔らかい雰囲気にしたいときには最適なレンズと感じた。


合焦したところからなだらかにアウトフォーカスしていく、ボケのグラデーションの良さがよくわかる。


ほぼ最短撮影距離で撮影。人物だけでなく、毛並みを信じられないくらい優しく描写するので動物にも最適。

次ページ3本目、小型軽量で可搬性に優れた望遠ズーム「LUMIX S PRO 70-200mm F4 O.I.S.」

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