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【特別企画】オーディオアクセサリー銘機賞 グランプリ受賞

電源の空き端子に挿すだけ、CHORD COMPANY“パワーアレイ”の効果を評論家6名が語る!

公開日 2020/12/14 11:40 林 正儀/生形三郎/鈴木 裕/炭山アキラ/井上千岳/福田雅光
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■上流の電源ボックスへの使用が効果的。音楽がより明瞭に、力強く迫ってくる(生形)


オーディオアクセサリー銘機賞審査員 生形三郎氏
昨年の日本上陸と共に“グランプリ”を獲得し、本アワードや市場から大きな話題を集めているCHORD COMPANY社のノイズ・ポンプことグラウンドアレイシリーズ。そこに加わった待望の電源ラインバージョンだ。今回のアワード選考においても、この「パワーアレイ」は圧倒的な支持を得て“グランプリ”に輝いた。

グラウンドアレイは、同社がこれまでフラグシップケーブルへの搭載を発端に培ってきた、高周波対策技術「アレイ」テクノロジーを駆使したアクセサリーで、信号アースライン上の高周波ノイズを特殊素子へと導き熱へと変換、消去するというコンセプトで、その名の通りグラウンドラインにのみ接続する、回路を持たないパッシブ型のノイズ対策製品であった。

今回の「パワーアレイ」では、それを踏襲しつつ、グラウンドラインだけでなく、ホット側、そして、コールド側にもそれぞれ対策が施された内容になっているという。よって基本原理や手法自体は同じだが、オーディオ信号レベルにおける微小なノイズだけをキャッチするグラウンドアレイに対して、パワーアレイは、電源信号レベルの高電圧環境の、より高いノイズレベルに対応するよう設計されている。ほかにも、同社こだわりのタイロン絶縁システムや、音質だけでなく安全性にも配慮した多層シールド等が施されている。

パワーアレイは、小社試聴室に加え、自宅環境でも長期間使用してみたが、その効果は実に魅惑的なものであった。プリアンプやソース機器を接続する電源ボックス、そしてパワーアンプを接続する電源ボックスに接続すると、S/N感が向上し、機器が持っているサウンドキャラクターがより十全に発揮されるようになった。より明瞭に、そして、力強く音楽が迫ってきたのである。

自宅システムでは、色々な場所に試してみた結果、コンセントの場所などでも微妙な変化が楽しめると共に、やはり上流の電源ボックスへの使用が最も効果的であった。その効用は実に大きく、出音から歪み感が減り、音楽が実に快く耳へと、身体へと浸透してくるような変化に驚かされた。より生き生きと、より瑞々しいサウンドへと変化するのである。要注目の電源アクセサリーとして、ぜひともチェックしておきたいプロダクトである。

■空間の見通しを改善、音離れも良くなる(鈴木)


オーディオアクセサリー銘機賞審査員 鈴木 裕氏
壁コンセントや電源タップの空きソケットに挿すタイプのオーディオアクセサリーだ。筆者の言い方だと”並列型電源フィルター”類と仮に呼んでいるが、そうした製品の中でも特徴のある働きをする製品だ。

多くの並列型に感じるノイズ除去能力も素晴らしいものがあるが、それとともに電源の“位相”を適切な状態に整えるような働きを感じさせるからだ。ちなみに使い方のコツとしては電源タップを使用している場合、電源入口に最も近いソケットに差し込むことが推奨されている。

さてその作動する仕組み。同社のアレイ・テクノロジーの応用で、特にグラウンドアレイの技術を、より高い電圧/電流に応用させている。グラウンドアレイでは機器内部で発生した高周波ノイズを機器の空き端子(出力や入力)に接続して減衰させるが、そのポイントはアースラインにのみ働きかける技術である点。一般的なノイズフィルタのような信号経路に負荷として介在させない。

パワーアレイも並列型のため、コンポーネントと供給電源の間に介在せず、弊害や悪影響を発生させず、効果的にノイズだけを減衰させる。ちなみにパワーアレイ自体は一切の電流動作や回路を持たず電気を食わないため、「最大電流や瞬間レスポンスの制限、電源インピーダンスの変動などによる音質劣化を起こさない」とメーカーでは謳っている。内部素子はミクロ単位の振動から発生するノイズを抑えるため、すみずみまで硬質樹脂を充填、極めて強固な構造を取っている。

その効果は、拙宅のシステムを含む3カ所のオーディオシステムで確認したが、大きく3つに分けられる。まず、高周波のノイズに起因するスモーキーな音色感や、空間の見通しの悪さ。こうしたものを高いレベルで改善する。2つ目はスピーカーから音が出ていない感じ、音離れの良さが決定的に良くなり、臨場感の向上が著しい。3番目は低域の立体感や表現力が格段に上がる。たとえばオーケストラで低弦がブンッと弾いた時に、それによって空気が動くような感じを音像としても、音圧感としても再現してくる。こんなオーディオアクセサリー、前代未聞に感じる。グランプリを受賞するのも自然な流れだった。

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