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【特別企画】開発陣の声とともに徹底解剖

一度聴いたら戻れない! オーディオテクニカ真空管HPアンプ&DACは新世代ヘッドホンを鳴らし切る

2020/12/08 野村ケンジ
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きめ細やかなディテールと自然な広がり、厚みある中域

さて、それでは実際のサウンドを確認してみよう。試聴には、「AT-BHA100」と「AT-DAC100」の込み合わせに、プレーヤーとしてAstell&Kern「KANN CUBE」を使用。筆者も普段から愛用しているオープンエアー型「ATH-ADX5000」をメインに使いつつ、ウッドハウジングを持つ密閉型「ATH-AWKT」などもテストした。

総じていえば、奇をてらわないストレートな表現のサウンドだ。真空管ならではのきめ細やかなディテール表現を持ち、同時にハイブリッド構成ならではの抑揚の確かさ、キレのよさも併せ持つ、絶妙なバランスが保たれている。もともと「ATH-ADX5000」は超クリアネスでにじみのない、それでいて自然な空間的広がり感を持つ絶妙なサウンドを持ち合わせているが、そういったヘッドホンのよさを十全に引き出しつつ、中域にちょっとした厚みを感じる、絶妙なバランスに整えられている。

おかげで、女性ボーカルの歌声は普段よりいくぶん艶やかに感じられるし、男性ボーカルも落ち着きのある、堂々とした歌声を聴かせてくれる。バイオリンの音も魅力的。ヘッドホンの素性のよさを活かしつつ、さらにほんのり豊かに色付けするような、なかなかに聴き心地のよいサウンドを生み出す。

ちなみに、「KANN CUBE」のバランス・ラインアウトを直接「AT-BHA100」のXLR 3pin×2に接続した試聴も行ってみた。こちらは「KANN CUBE」らしいソリッドな印象のサウンドへとキャラクターが変化した。抑揚表現も、かなりダイナミックに感じる。これはこれで悪くない。このあたりは、好みの範疇といえそうだ。


「AT-BHA100」+「AT-DAC100」の組み合わせは、音色は確かに(多くの人が求める)真空管らしさを持つが、それでいてフォーカス感や立ち上がりの明確さなど、ただただ甘い表現になってしまわず、明瞭度の高いサウンドを楽しませてくれる。上級ヘッドホンをしっかりと鳴らしきる、絶妙なチューニングのシステムといっていいだろう。他のオーディオテクニカ製ヘッドホンはもちろん、他社製品とのマッチングも試してみたくなる。設置性や接続性のよさも含め、とても魅力ある製品といえる。




※この記事は「プレミアムヘッドホンガイドマガジン VOL.15」に掲載された記事をもとに加筆を行ったものです。

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