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“Hi-Fi級のステレオ再生” は本当か? マランツ「SR6015」から、今まで聴いたことのない音が出た

公開日 2020/09/18 06:30 土方久明
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また音声周りの重要なトピックとして、新4K/8K衛星放送で採用されている音声フォーマット「MPEG-4 AAC(ステレオ、5.1ch)」に対応したことがある。筆者も4Kチューナーを繋いで同放送を楽しんでいる一人だが、最近はNHKが4K/8Kで良質な画質・音質を持つ映画、スポーツ、ドキュメンタリー番組等を多数放送していたりと、衛星放送のコンテンツとしての価値が高まってきているため、その音声方式にネイティブ対応した意味は大きい。

HDRとサラウンドフォーマットへの対応状況も充実している。HDRは基本となるHDR10とHLGに加え、上位規格であるDolby VisionとHDR10+をカバーし、Dynamic HDRにも対応している。

サラウンドフォーマットは、Dolby AtmosとDTS:Xに対応したうえで、IMAX Enhanced認証も受けたことがトピック。これにより、IMAX Enhancedコンテンツの再生に対応した「IMAX DTS」「IMAX DTS:X」モードを利用できる。

最新サラウンドフォーマットに加え、バーチャル3Dサラウンドにも対応。環境を構築せずとも手軽にサラウンドを擬似体験することも可能だ

さらに、近年注目を浴びるバーチャル3Dサラウンド「Dolby Atmos Height Virtualizer」と「DTS Virtual:X」にも対応する。これにより2チャンネルのステレオ環境や天井などにハイト/サラウンドスピーカーが設置されていない環境でも、高さ方向や360度のサラウンド効果を擬似体験できる。もちろんベストは専用スピーカーを設置することだろうが、まずは手軽なステレオ再生とバーチャル3Dサラウンドを組み合わせて楽しんで欲しい。これだけでもAVアンプを導入した価値が出てくるはずだ。

ここまで映像関連の紹介をしてきたが、オーディオ周りの機能も充実している。Bluetooth/無線Wifi/有線LANのインターフェイスを装備しており、マランツのネットワークオーディオ製品が使える「HEOS」が利用可能だ。

HEOSではNASを利用したデジタル楽曲ファイル再生や、Amazon Music HD/AWA/Spotifyなどの定額ストリーミングサービスを利用できるため、ストリーミングやハイレゾのローカルファイルが音楽再生の中心なら、SR6015を導入すれば、他にソース機器を用意する必要はない。MM対応のPhono入力を含めてアナログ/デジタル音声入力も豊富なので、手持ちのCDプレーヤーやアナログプレーヤーも接続できる。

Bluetoothは受信および送信に対応しており、AirPlay 2やBluetoothを利用したスマホからの音楽再生や、Bluetoothヘッドホンを接続してのリスニングもできる。スマホとの親和性の高さもありがたい。

AVアンプとしては“異様なほど”に徹底的な音質対策

…と、ここまでの仕様を見る限りでも、本機が映像、音声とも全方位的な対応力を備えるコストパフォーマンス抜群の機器だということが分かるだろう。そしてここからは、目玉であるステレオ再生時の音声品質と、それに関連する設計についてご紹介したい。その音質対策はAVアンプとしては異様なほどに広範囲かつ周到だ。

プリアンプ回路にはマランツ最上位のHi-Fiステレオアンプ「PM-10」をはじめ、同社のアンプ群で採用される高速アンプモジュール「HDAM」を搭載。パワーアンプはなんとフルディスクリート構成である。

プリアンプ(写真左)には、同社フラグシッププリメイン「PM-10」にも使われるモジュール「HDAM」を搭載。9chパワーアンプ(写真右)もフルディスクリート構成と、オーディオアンプ級の音質対策が施されている

電源周りのこだわりもかなりのものがあり、電源トランスは大型のEIコアトランスを採用した上、パワーアンプ部のブロックコンデンサーには、マランツのサウンドマネージャーである尾形好宣氏の徹底したリスニングにより開発されたという、専用カスタムコンデンサー(12,000μF/71V×2)を採用。回路部のキーパーツ類も尾形氏が選定している。
 
入力セレクター、ボリューム回路、出力セレクターは、それぞれ専用のカスタムデバイスが投入され、最短の内部信号経路を実現。DACチップは旭化成エレクトロニクスの「AK4458VN」を採用し、D/Aコンバーター回路を専用基板とシールドにより独立させることで、シャーシ内へノイズが飛び込む事を防止している。

そして、ここが最大のポイントだが、そのサウンドチューニングは、マランツのHi-Fiオーディオアンプの音決めを一手に担う尾形氏が、その感性のもと徹底的に行ったというのだ。まさにオーディオ用アンプさながらのこだわりぶりだが、肝心の音はどうだろうか?

土方氏宅の試聴室にて、ステレオ再生とサラウンド再生の実力をチェック

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