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【特別企画】撮影データのポテンシャルを最大に引き出す表示環境

最高のクリエイティブ・パートナー!BenQの本格派PCモニター「SW321C」レビュー

公開日 2020/08/28 06:30 山田久美夫
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ただ、いくつか欠点もある。ひとつは、スピーカーが内蔵されていない点だ。もちろん、本機が本格的なカラーマネジメントモニターであることは、百も承知だ。そのため、スピーカーが必要不可欠ではないということも理解できる。このクラスのモニターを使う人は、きっと音にもこだわるはずなので、中途半端なスピーカーであれば、むしろ内蔵しないほうがいいともいえる。

もちろん、本機にはUSB Type-C、HDMI接続時に使用できるオーディオ出力端子(ステレオミニ)も備わっており、そこに外部スピーカーを接続することも可能だ。しかし、給電に対応したUSB Type-Cポートにより、ノートPCとケーブル1本で接続して使える手軽さを考えると、音が出るだけでも構わないので、やはりスピーカーは内蔵してほしいというのが本音だ。

もうひとつは、梱包があまりにも大きく重い点だ。外箱が巨大(913W×690H×380Dmm)で、重さも25.6kgあり、大人の男性でも箱から出すのに苦労するレベルだ。修理や引っ越しなど、本機を配送したり運んだりする可能性を考慮すると、外箱を保管しておきたい人もいるはずなので、ぜひ見直してほしいところだ。


梱包から出すのは一苦労だが、出した後のセッティングはスムーズ。モニターの保護シートがクイックスタートガイドとなっており、それに従って組み立てていけば10分程度で設置できる

これらは、いずれも製品の本質とは関係ないこととはいえ、実際に使ってみると、痛烈に実感することであり、本体に不満がないだけに、より残念に感じてしまった。

■プライベートで使える極上の“マスターモニター”



クリエイターは、モニターの表示を信じて、自分の作品を作り込んでいく。だからこそ、きわめて高品質で、高い忠実度を備えたモニターが必要になる。そんな“自身のマスターモニター”となり得る製品は、PCモニターの中でも、とても特別な存在であり、そこに求められるレベルもきわめて高い。

今回試用した、BenQのカラーマネジメントモニター「SW321C」は、その要求にしっかりと応えてくれるレベルの製品といえる。32型の画面サイズは、大きめの作業机の上に置ける最大級のサイズであり、4K解像度の画素ピッチも、全画面を一目で見渡すことができ、それでいて細部もきちんと確認できる絶妙なバランスだ。

しかも、モニター自身の主張がないため、とても目に優しく、安心し、信頼して使える点がいい。そのため1日10時間以上、本機で作業をしていても、想像以上に疲れを感じない。これまで第一級のモニターを数多く見てきたが、この「疲れない」というのは、優秀なモニターのなによりの証なのだ。

しかし、そういった優秀なモニターは、極めて高額で、これまでの経験では、最低でも50万円以上はするものばかり。そのため、テストで試用することはあっても、個人での購入など思いも寄らなかった。だが本機は、量販店での実売価格でも、25万円前後とその半額程度で入手することができる。これは何より大きな魅力である。

カメラやレンズなど、撮影機材にかけるコストを惜しまない人は多い。だが、撮影データのポテンシャルを最大限まで引き出す環境として、PCモニターにかけるコストまでは手が回っていないのが現状ではないだろうか。BenQ「SW321C」は、そんな方にぜひ試していただきたい、信頼できる優秀な選択肢といえるだろう。

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