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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第255回】

パナのラジオは声が“好い”!Bluetooth対応の最新機「RF-300BT」を思わずポチった

公開日 2020/08/28 06:40 高橋 敦
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パナラジの快適ラジオサウンドとは?

ラジオはそもそも技術的に、AMにしても、それよりは高音質なFMにしても、周波数レンジやダイナミックレンジは、ディスクメディアや高音質配信に及ぶものではない。S/Nに至っては、受信状況次第では音声信号よりもノイズの方が大きいというようなことさえあり得る。音声信号の伝送と再生においては劣悪な条件と言わざるを得ない。

その劣悪な条件で受信した音声をそのまんまフラットに再生するとどうなるか。ノイズもそのまんま再生されてしまい、それが音声を邪魔して大変に聞き取りにくいことにもなりかねない。

しかし実際にこのRF-300BTでラジオを聴くと、よほど酷い受信環境でない限り、そんなことにはならない。

そもそも受信感度が高く低ノイズで受信できることが多いが、ノイズが混じってくる場合でも、人の声、トークや台詞はその中から抜け出て届いてきてくれる。人の声の周波数帯域を中心に充実させ、また低域側と高域側は不自然にならないよう素直になだらかに減衰、そこに含まれるノイズ成分を目立たせないような音にチューニングしてあるのではないかと思う。

そのあたりをiPhoneアプリのTOON「Audio Frequency Analyzer」を使い、簡易的にではあるが測定してみた。簡易的なのはアプリの性能ではなく、再生音量や測定の距離や角度をそれほど厳密に揃えてないという測定条件の面。

幅広い周波数を含むピンクノイズ音源をGenelec 6010B小型モニタースピーカーで再生し、iPhoneアプリで周波数分布を解析


同じくRF-300BTで再生し、iPhoneアプリで周波数分布を解析

「6010B」は、小型スピーカー故の限界で低域側の63Hzより下はバッサリだが、それより上は可聴帯域上限近くまで綺麗に伸びている。

対してRF-300BTは、明らかにそれとは異なる意図でチューニングされていそうな周波数バランス。125Hzから1kHzあたりのミドルレンジの厚み、8kHzより上の丸め込みなどがポイントか。16kHzが大きく落ちているのは、Bluetooth伝送の音声圧縮の影響も大きいだろう。

何にせよ、人の声の厚みや温かみ、存在感を存分に引き出す、ミドルレンジ中心の帯域バランスにチューニングされていることは、やはりたしかなようだ。

地上波ラジオ最適化サウンドはネットラジオにも効く!

そしてその特徴は、radiko.jpやPodcast、そのほか様々なトーク中心の音声配信をBluetooth経由で再生する際にも発揮される。

ネット音声配信であっても、音声データ圧縮の影響で声のエッジが荒くなっていたり、回線の不安定などからか、ふとした瞬間に強めのノイズ成分が出てきたりすることもある。またそもそも、大手ラジオ局レベルの技術や設備で制作されているわけではなく、音声の仕上げが甘い番組というのもあるだろう。

そのどれに対しても、RF-300BTのような「ラジオの粗を丸め込んでくれるチューニング」は有効! ノイジィな成分を目立たなくし、声の周りの余計な雑音に気を取られにくくしてくれる。

地上波だろうが、Bluetooth経由でのradiko.jpや配信番組だろうが、最終的な音の出口をRF-300BTにすれば、ハイファイではないけれど「何かいい感じに聴き心地が好い」音にしてくれる。それがこのモデル、そしてパナラジオの美点だ。

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