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“スタジオモニター音質”がワイヤレス対応!AKG「K371-BT-Y3/K361-BT-Y3」レビュー

公開日 2020/05/11 06:30 土方 久明
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有線/無線のどちらでも、音楽を“正しく”かつ“楽しく”聴ける

まずはワイヤードで2機種の基本ポテンシャルをチェックする。Astell&KernのDAP「AK KANN」から、グラミー賞で圧巻の主要4部門独占を達成したビリー・アイリッシュ「バッド・ガイ」(44.1kHz/24bit FLAC)を聴いた。

K371-BT-Y3/K361-BT-Y3に共通しているのは、正しい帯域バランスを保ち、センター定位するボーカルの距離感、バックミュージックの広がり方、そしてボーカルに対するバックミュージックのバランスが適切に表現されることだ。

続いて同じく「バッド・ガイ」を、Bluetoothによるワイヤレス接続で聴いてみる。両モデルとも絶対的な情報量やS/Nについてはワイヤード接続に分があるものの、帯域バランスや音調など音の方向性は統一されているため、十分な音質で聴取可能。ダークな本楽曲のイメージを正確に表現している事に感心した。

ワイヤレスでも周波数帯域のバランスや音の傾向が大きく変化することはなく、音楽のありのままを可能な限り引き出してくれる

次に、こちらもグラミー賞でベストロックアルバムを受賞したアメリカのロックバンド、ケイジ・ジ・エレファントのアルバム『ソーシャル・キューズ』をBluetooth接続で試聴した。マット・シュルツのボーカルにかかる独特なエフェクトや、声の距離感、ギター、ドラム、ベースの音色/音調や楽器の音量バランスさえも赤裸々に聴こえてくる。結論からいえば、ワイヤレスであっても音質的には筆者の基準以上を満たしていた。

スタジオモニターに位置づけられるヘッドホンは、アーティストや製作者側が伝えたい意図が曲折せずダイレクトに伝わるので、音楽賞を受賞するような作り込まれた作品の聴取に向いている。それはK371-BT-Y3/K361-BT-Y3にも言えることだが、それでいて両モデルは過度に分析的にもならない。グラミーを受賞した今回の試聴曲が持つ音楽性をありのままに表現しつつ、楽しく音楽を聴くことができた。

K371-BT-Y3とK361-BT-Y3の音質差だが、K371-BT-Y3は聴感上、中高域の分解能が2〜3割高く、低域方向のレンジも広い。また、密閉型らしくない広大なサウンドステージも大きなアドバンテージだ。それに対するK361-BT-Yの強みは、音源への忠実さを崩さない範囲でより高められた、音楽的な聴きやすさと低域の量感である。

Bluetoothならではの便利さ、快適な装着感も魅力的。接続も安定

イヤーカップにはタッチセンサーが搭載されており、上下にスワイプすれば音量調整、左右にスワイプすれば早送り/巻き戻し、ダブルタップすれば再生/一時停止など、カバンの中に入れたDAPをいじらなくても操作が可能だ。

それに装着感も価格以上のものがある。まず、低反発素材を使用したイヤーパッドの出来が良く耳にフィットする。側圧も適度で遮音性が高い。それに加え11段階のスライダーを実現したヘッドバンドは接触面にシリコンが貼られ頭部への負荷が平均化されているので長時間装着しても疲労感が少ない。流石はAKGの製品だ。

そしてBluetoothと言えば気になるのは接続安定性だが、今回は筆者の地元の茨城県から秋葉原駅まで1時間ほど電車に乗り、さらに無線の混線の激しい秋葉原駅構内も歩きながらトータル2時間ほど使用したが、音切れはたった1回しか起こらなかった。

電波状況の悪い場所でもほとんど音切れが発生せず、音楽を楽しむことができた

ちなみにバッテリーの持続時間は、K371-BT-Y3が約40時間、K361-BT-Y3は約24時間となっていて、頻繁な充電は必要ない。折りたたむと小さく、プロ仕様ならではの耐久性は持ち運びにも向いているため、どこにでも連れて行きたくなる。



AKGはヘッドホン/マイクメーカーとして、音の入口と出口の両方を手がけている数少ないブランドである。そんな同社の、音楽制作現場でも評価されているモニターサウンドが電車や街中で手軽に利用できるのはとにかく嬉しい。普段はワイヤードモデルを使用している筆者も、正直な気持ちとして「この音と快適性があるのならワイヤレスもターゲットに入るな」と感じるほど満足した。

2モデルともあらゆる面で完成度が高く、ヒビノによる3年間の長期保証も嬉しい。抜群のコストパフォーマンスだから、音楽制作側からヘッドホンファンまで多くの方にオススメできる。
(企画協力:ヒビノ株式会社)

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