HOME > レビュー > ソニーBRAVIAにアップルの技術・サービスが合体、どう便利になるか試した

<山本敦のAV進化論 第189回>

ソニーBRAVIAにアップルの技術・サービスが合体、どう便利になるか試した

公開日 2020/04/23 06:40 山本 敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

iPhoneで再生中の映画や音楽を大画面にキャスト

iOSデバイスとAirPlay対応のテレビを組み合わせた動画再生は特に有効だ。X8000Hシリーズなら、映像と音の迫力が数段跳ね上がる。Apple TV+のプラットフォームには画質・音質にこだわって制作されたアップルオリジナルの映画やドラマも揃っている。ブラビアの4K/HDRディスプレイで視聴すると本当の実力がわかる。新しくiPhoneやiPad、Macを購入した場合はApple TV+の1年間無料体験が利用できるのでぜひ試したい。

同じWi-FiルーターにブラビアとHomePodを接続し、iPhoneから同時にApple TV+のデータストリームを流しながら映像はテレビ、音声はHomePodに出力することはできないようだ。テレビにはカバーアートだけが表示されて、音声だけがHomePodから聴こえてくる。もしブラビアでApple TV+のコンテンツを、HomePodでサウンドを増強しながら視聴したい場合はメディアストリーミング端末のApple TV 4Kを使う方法がある。

ブラビアから映像を、HomePodから音声を別々に出力するという機能はないようだ

iPhoneやiPadからAirPlayによるコンテンツ再生をいったんブラビアに飛ばしてしまったあとは、コンテンツを再生しているアプリはバックグラウンドに回して、手元でウェブブラウジングやSNSが利用できる。

iPhoneでプレイしているゲームの画面をテレビにミラーリングしてみた。大きな画面で遊べるメリットはあるかもしれないが、例えばAirPlayで接続した後にiPhone側の画面がゲームコントローラーになったり、操作性の向上に結びつくようなインターフェースも欲しい。

ゲームはiPhoneの画面をミラーリングして大画面で楽しむ方法がある。Wi-Fi環境にもよるところだが映像や音の遅延はそれほど気にならなかった

Macの画面をミラーリングしてみた

MacBook AirとブラビアのAirPlay接続も可能だ。Macの画面をそのままミラーリングすれば、Adobe Photoshopで写真を開いて家族が揃うリビングで鑑賞も楽しめる。

PC作業のワークスペースとしても大画面テレビは魅力的に感じられたが、AirPlayによる接続では、マウス操作がやや遅れる感覚がある。できればアダプターを介してHDMIケーブルでテレビにつないだ方が操作面のストレスが減りそうだ。

Siriの音声は快適だった

HomeKitの設定も行うと、Siriによる音声操作でブラビアX8000Hシリーズの電源操作がコントロールできるようになる。iPhoneにHomePod、そしてApple Watchから音声操作でブラビアを立ち上げてみた際のスピード感を動画で見てほしい。





筆者も自宅でブラビアの4K液晶テレビを利用しているが、少し古いモデルなので残念ながらAirPlayとHomeKitには対応していない。代わりにAmazon EchoシリーズとGoogle Nest Hubのそれぞれから音声でテレビの電源を操作できるように設定しているが、Siriによる音声操作に反応するスピードもそれに負けていない。ブラビア側のソフトウェアの作り込みによる成果もあるのだろう。

今回の取材時点で、チャンネル切り換えやVODサービスの立ち上げはまだ音声操作ではできなかった。Siriを使ってできることがますます増えれば、iPhoneをはじめとしたアップルのデバイスを所有するユーザーにもたらされるメリットも大きくなるはずだ。HomePodがあればブラビアやスマート照明が音声でも動かせるようになる。外出先から帰宅直後、手を洗う前にリモコンやスイッチに手を触れることなく音声で操作ができればウイルス対策としても有効だ。

Siriによる音声操作はブラビア単体での電源のオン・オフだけでなくシーン連動にも対応している

海外で販売されているサムスンのスマートテレビはAirPlay 2に対応しているだけでなく、Apple TVアプリがスマートOS上で提供されており、映画やドラマのストリーミング視聴が楽しめる。代わりにサムスンのテレビはHomeKitには対応していない。

アップルのエコシステムに対応するテレビはこれからも増えるだろうし、ソニーとLGのテレビもAirPlay 2・HomeKitと連携して「できること」が広がることをこれからも期待したい。

(山本 敦)

前へ 1 2

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE