重低音&タフボディの“XXシリーズ”の新モデルを聴く

新たなステージに上り詰めた「XXシリーズの音」。JVCの完全ワイヤレス「HA-XC50T」を聴く

山本 敦
2020年03月07日
■重低音&タフネスの“XXシリーズ”の新エントリー完全ワイヤレス

JVCがコンスタントに強化を図っている、完全ワイヤレスイヤホンのラインナップが各々個性に富んでいる。ここで紹介する「HA-XC50T」はタフボディのXXシリーズに加わった新モデルだ。

HA-XC50T

XXシリーズの完全ワイヤレスイヤホンは2018年夏に発売された「HA-XC70BT」以来となり、本機はその第2弾。音・機能ともに注目したいポイントがある。

XXシリーズといえばまず最初に思い浮かべるテーマカラーが「赤と黒」。今回はこれ以外のカラーも用意し、全部で4色のカラバリが揃った。価格はオープンだが直販サイトでは10,890円(税込)で販売されている。カジュアルに使い倒したくなるイヤホンだ。

全4色のカラーバリエーションを用意

XXシリーズが特徴とする“タフネス”は、従来からうたう耐衝撃性能だけでなく、IP55相当の防水・防塵仕様を加えてアップデートしている。この「TRIPLE PROOF」は新しい看板。スポーツシーンでXXシリーズを使うユーザーも多くいることが想定されていただけに、汗や水しぶき対する耐性が確保されたことは大歓迎だ。

バッテリーのパフォーマンスもイヤホン本体、ケース込みの両方でHA-XC70BTからまた一段と使い勝手がアップしている。15分の充電で約1時間の連続音楽再生が楽しめる急速充電機能もあるので、通勤通学、またはジムに出かける直前にチャージする習慣を付ければ、電池切れに悩まされることも少なくなるはず。

イヤホン本体がとてもコンパクトなので、女性の音楽ファンも心地よく身に着けられるだろう。ケースはできればもう少し小さくなると嬉しいが、十分なバッテリー容量が確保されてこのサイズ感であることを考えれば理にかなっている。

充電ケースからイヤホンを取り出すと電源がオンになり、ペアリングモードに移行する。iPhone/AndroidともにBluetoothの機器設定から本機の名前をタップするだけでペアリングはスムーズに完了する。イヤホンを充電ケースに戻せば自動的に電源が切れるので安心だ。

左右本体の側面パネルがボタンリモコンになっている。再生・一時停止は左右のどちらかをシングルクリックする。音量のアップダウンと曲送りも直感的に操作できた。

BluetoothのオーディオコーデックはHA-XC70BTと同様にAAC/SBCに対応した。音切れはよほど条件が厳しい環境でなければ気になることはなかった。

装着したところ

■「XXシリーズの音」が新たなステージに上り詰めた

「XXシリーズの音」は、本機によってまた新たなステージに上り詰めたことを感じさせる満足の出来映えだった。

Reiのアルバム「SEVEN」から『DANCE DANCE』ではエネルギッシュなボーカルが楽しめる。エレキのハイトーンが鮮やかに突き抜ける。アコギの弦の音色がカラッと乾いていて、ジャキっと鋭いコードのカッティングが小気味よい。バンドの演奏は奥行きの見晴らしがとてもよく、情景は立体感に富んでいる。HA-XC70BTにはモバイルアプリを使って低音をブーストする機能が付いていたが、HA-XC50Tはアプリの力を借りなくても太くてしなやかな、どっしりとした思い6弦の低音が鳴らせる。

上原ひろみのアルバム「Spectrum」から「Yellow Wurlitzer Blues」では軽快なピアノのメロディに引き込まれた。煌びやかなピアノの音色に雑味がない。輪郭線がシャープに描かれる。静寂の透明感にも深みが感じられる。ディティールも丁寧に描写され、強弱のニュアンスが生々しく伝わってくる。XXシリーズといえばEDMやロックにマッチするイメージが強いかもしれないが、上品なジャズピアノもしっかりとうまみを聴かせてくれた。

Beckのアルバム「Hyperspace」から『Saw Lightning』ではガツンと響く重低音と、スチールギターの艶やかさ、打ち込みの効果音が作り出す広々とした音場感を味わえた。賑やかな楽曲をカラフルに描き出したイヤホンの底力に感服した。

XXシリーズがうたい文句にしている「重低音」については色んな解釈ができるだろう。筆者はそれが量感やアタックの力強さよりも、“品質”にこだわりながら仕上げたものであると受け止めた。情報量が豊かで、緩急も自在に描く低音が楽曲の魅力を存分に引き出してくれる。XXシリーズが絶えず進化を続けていることを証明するニューモデルだ。

関連記事