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高コントラストで色鮮やかな投写を実現

新設計レンズの “キレ” ある4K大画面を手頃価格で! オプトマのプロジェクター「UHD50」レビュー

公開日 2020/01/30 06:30 鴻池賢三
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映像モードは「シネマ」が基本。HDR信号が入ると自動でHDR表示モードにできるのだが、この際は映像モードが「HDR」に固定される。一瞬、柔軟性が無いのかと不安になったが、この「HDR」は「シネマ」に近く、D65を基本とした自然な画調で、メニューから「色の濃さ」や「色合い」といった基本項目はもちろん、別に設けられた「色設定」から色温度のきめ細やかな選択設定や微調整も可能なので、実質ユーザーは自由に調整が可能だ。

ディスプレーモードも多数。HDR映像が入力されると自動的にHDRを選択する

またHDR 10映像で気になりがちな、主にマスタリング時のMax CLL設定に起因する明るさの違いも、「HDR Picture Mode」という項目を用いて、「標準」「フィルム」「Detail」「ブライト」から選択することで補正できる。欲を言えば、次モデルではリモコンに「HDR Picture Mode」のダイレクトボタンを設けるか、もし可能なら自動調整機能の搭載も望みたい。

実際にYouTubeで「Peru 8K HDR 60FPS」を視聴してみる。Fire TV Stick 4Kからは4K/HDRで出力され、本機でも2160p/60Hz/HDRで入力していることを確認できた。

映像入力情報で、4K/HDR信号であることが確認できる

細かな調整機能も多数。設置環境や好みに合わせて設定できる

映像は日中のリビングでも充分に明るく、高コントラストで色鮮やかさも申し分なし。「HDRならでは」と思える映像美が楽しめる。色数の多さで緑は日向から日陰までナチュラルに描き分け、民族衣装に含まれる赤色もビビッドな発色から深みのあるダークレッドまで表情豊かだ。

光学系の優秀さからくる高精細な表示能力は、DLPならではのキレの良さとの相乗効果により、動画解像度も上々。撮影カメラのトラック(横移動)やドリー(前後移動)でも被写体のディテールを保ってシャープに描画。背景の被写界深度によるボケとの対比、および運動視差で生み出される立体感を、より効果的に感じさせてくれる。カラーブレーキングはDLPの宿命だが、動画解像度を優先するなら、DLPは良い選択と言える。



UHD50を試してみて、その画質は、DLPプロジェクターをいち早く、かつ長年手掛けてきたオプトマの実力を感じられるものであった。明るくキレの良い4K画質は本物でHDRのダイナミックな映像美も楽しめる。

リモコンやOSDといったユーザーインターフェイスや日本語表記に、さらなる洗練を期待するが、本製品のサポートはスクリーンメーカーとして大手のオーエスが国内対応しており、ユーザーにとっては大きな安心材料である。リビングでカジュアルにかつ高画質で4K/HDRを楽しみたい、エントリー “+α” を求めるユーザー層にお勧めしたい新モデルだ。

(鴻池賢三)

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