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試聴と測定を重ねて完成

【AAEx2020 受賞モデル】国内新進ブランドSilent House Audio Lab.のUSB伝送を理想化するユニット

公開日 2019/11/22 16:22 季刊オーディオアクセサリー編集部
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サウンドトリートメントケーブル「STC-USB2・0R2S」を聴く

解像度とダイナミックレンジを特に向上(角田郁雄)

サイレント・ハウス・オーディオ・ラボからハイレゾファン待望のサウンドトリートメントケーブル、STC-USB2.0R2Sが登場。本製品は、先行発売されたNFU-USB2.0R/HユニットをゾノトーンのUSBケーブル、6N・USB-Grandio 2.0と一体化したカスタムUSBケーブルである。高精度に切削されたアルミユニットの中には、電源用のコモンモードチョークコイルやフェライトビーズなどを収容し、信号ライン用には、4N銀線とコモンモードチョークコイルを収容。徹底して伝送ノイズを低減している。開発は、数十回に及ぶシミュレーションや繰り返しの試聴など緻密な測定の上、完成に至った。

「STC-USB2.0R2S」のユニット部。ターゲット側ユニットがケーブルと一体化されている

カクテルオーディオのミュージックサーバーとMOLA MOLAのDAC間で使用したが、音の透明度が向上し、広く深い空間に奏者や歌い手が、よりリアルに描写された。また、解像度とダイナミックレンジには、特に向上が感じられた。パッシブ方式ならではの音の透明度を高める効果で、音楽ジャンルを問わず使うことができる。

■伸び良くナチュラルな音像が得られる(岩井 喬)

ゾノトーン6N・USB-Grandio 2.0に同社のサウンドトリートメントユニットを組み合わせ、一体化させたオーディオグレードUSBケーブル。サウンドトリートメントユニットはノイズ抑制効果が得られるパッシブ方式のフィルター構造となっており、電源バスラインにはコモンモードチョークコイルとフェライトビーズ、セラミック&電解コンデンサーを使用。差動信号ラインには4N銀線とコモンモードチョークコイルを用いており、ハンダも銀入りタイプを採用。アイパターン測定においても、ケーブル単体時よりも低ジッター・低遅延であることが認められるという。

低域方向を引き締め、見通しの良いすっきりとした空間性と伸び良くナチュラルな音像が得られ、オーケストラの旋律は爽やかで余韻もクリアに見通せる。ピアノやシンバルなど、高域は硬めにまとめ、ヴォーカルはクールかつスマートに表現。リヴァーブの透き通った響きも美しい。ロックのリズム隊は厚みもあるが、引き締め良いドライなアタックを聴かせる。音場はややコンパクトな印象だ。


<Specifications>
【STC-USB2.0R2S】
●型式:シングルトリートメントケーブル●全長:約90cm●トリートメントユニットの実装位置:ターゲット側70mmの位置●トリートメント構成:(1)D+/D-差動ライン→コモンモードチョークコイル、(2)5Vバスライン→コモンモードチョークコイル/Pi型ノーマルモードフィルター/フェライトビーズハイカットフィルター●内部デバイス類の実装:高性能銀ハンダを使用●差動ライン:4N純銀線●ケーブル部:ゾノトーン6N・USB-Grandio 2.0●ユニットケース(筐体):アルミブロック削り出し●取り扱い:Silent House Audio Lab.
本記事は季刊・オーディオアクセサリーvol.175 Winterからの転載です。本誌の詳細および購入はこちらから。

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