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石英の特性で不要な振動を可聴帯域外へ

【AAEx2020 受賞】オーディオリプラスのHG-HR石英スペーサー「RCS-25HR」の驚異的な効果を識る

公開日 2019/11/21 15:03 鈴木 裕
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本物のアナログ再生には、本物のオーディオアクセサリーを。この夏、論理的な設計で定評ある高級アクセサリーメーカー、オーディオリプラスからHG-HR石英のカートリッジスペーサー「RCS-25HR」が新発売された。本製品はその実力が認められ、オーディオアクセサリー銘機賞2020を受賞したが、こんな小さな板を挟むだけで音楽に生命が宿るのには驚きだ。鈴木 裕氏によるレポートをお届けしよう。

カートリッジスペーサー「RCS-25HR」¥26,000(税抜) ※写真右が本体。写真左は装着したもの

このサイズ、この価格でリプラスの威力が体験できる

オーディオリプラスは日本のオーディオアクセサリーのメーカーである。オーディオグレードのHG-HR石英を採用したインシュレーターを始め、電源タップや壁コンセントとその周辺のパーツ、ケーブル類、ルームチューニング用など、高い品質の製品をラインナップしており、その製品は20カ国以上に輸出されている。

アナログレコード関連としてはターンテーブルシートやスタビライザーなどがあるが、この度リリースされたカートリッジスペーサー「RCS-25HR」は注目すべき製品だ。

注目する理由はふたつ。ひとつ目は、このメーカーのオーディオアクセサリーとしては比較的購入しやすい値段であること。2つ目の理由は、それにも関わらず著しい効果を発揮してしまうことだ。目標としている「原音を忠実に表現する」ということを体感できる格好の製品であると感じている。

カートリッジスペーサー「RCS‐25HR」は、同社のHG‐HR石英ガラスで形成されている。この石英の「超音速振動処理能力を、レコード再生で手軽に得ることができる」とメーカーは説明している。

概要を説明していこう。外径寸法は15mm×25mm。ロングセラーのカートリッジ、デノン“DL‐103シリーズ”に合わせてサイズを決定したという。厚みは2.5mm、重さは約2gなので対応できるカートリッジは多いだろう。

ヘッドシェルとカートリッジの間に装着して使うもので、付属しているネジはチタン製(ネジ長さ8mm、12mm、15mmを各2本ずつ)、ワッシャーはシリコン製、ナットは特殊樹脂製。

チタン製のネジが付属する

作動原理としては、トーンアームの先端に位置するカートリッジ部に発生する余分な振動を、石英の持っている可聴帯域外にシフトするというもの。ある種のインシュレーターで、カートリッジのトレース能力をアップさせ、そのポテンシャルを引き出してくれる。

テストは音元出版の試聴室で行った。プレーヤーはテクニクス「SL‐1000R(純正アーム)」、フォノイコライザーはエソテリック「E‐02」、アンプはアキュフェーズ「C‐3850/P‐4500」でB&Wの「803D3」を鳴らすシステムだ。

テストするカートリッジには、デノン「DL‐103」とマイソニックラボ「Eminent GL」の2種類を用意した。DL‐103はプラスチック製で、Eminent GLは超々ジュラルミン(A‐7075)という、かなり硬質な材料で作られたカートリッジだ。

どちらもまずそのままの音を把握した後に、RCS-25HRを装着。針圧やトーンアームの高さをきちんと調節して、3種類のレコードを聴いた。

今回の試聴には、デノン「DL‐103」(写真左)とマイソニックラボ「Eminent GL」(写真右)のふたつのカートリッジを用意した

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