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人気イヤホンと組み合わせ

完全ワイヤレスでは聴けない高音質の世界。Shure「SEシリーズ」に最新プレミアムBluetoothケーブルが標準装備

公開日 2019/10/17 06:00 生形 三郎
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SEシリーズの性能を最大限発揮。完全ワイヤレスではまだ味わえない、クリアかつ充実の低域

RMCE-BT2は特に音質面において、BT1からの進化が著しい。全体的なS/N感が向上し、音楽が細部までクリアに表現される。音楽が描かれる空間が、圧倒的にそのスペースを増すのだ。低域の表現も、さらに深く沈み込む豊かさを獲得するとともに、より一層輪郭が明瞭に表現される。

音質を徹底強化したという独自アンプによって、SEシリーズ各モデルのもつ性能をワイヤレスでもいかんなく発揮する

特にフラグシップのSE846との組み合わせでは、静寂から立ち上がる立体的な音楽によって、イヤホンで音楽を聴いていることを忘れるほど。完全に意識が音楽に没入していることに気がつき、思わずハッとさせられてしまった位だ。まさに、ワイヤレスの常識を打ち破る、圧倒的なクリアサウンドである。

フラグシップモデル「SE846」とRMCE-BT2の組み合わせによるワイヤレス再生は、ワイヤード接続さながらの圧倒的高音質を実現。しっかりShureサウンドを堪能できる

総じて、SEシリーズのイヤホンが持っているポテンシャルがより十全に発揮されているのが実感できる。無論、aptX HDを始めとする高音質コーデックを使うことで、さらなる高音質再生が担保されていることも言わずもがなだ。


手軽にShureサウンドを楽しむなら「SE215」、スペシャルエディション(写真)はメリハリのついたサウンドで運動時などにも良いだろう
最後にモデル選択におけるオススメを挙げておこう。どのモデルも有線接続はもちろん、RMCE-BT2との組み合わせによるワイヤレス再生においても、音源に忠実なバランスを持っており再生ソースは選ばない。「手軽にShureサウンドを手に入れたい」という方は、やはりSE215だろう。エントリー機でありながらも完成度は極めて高く、シンプルで明解な表現と聴き心地の良さは、シリーズ中で随一である。

シャープで端正な描写を好む方はSE425がオススメ。リッチながらもスッキリとした低域と、2wayならではの高い解像度を楽しめる。より本格的なShureサウンドを堪能したいのならSE535を薦めたい。多ドライバーによる立体的な音像と、充実したサウンドを堪能できる。

そして、とにかく「Shureサウンドを極めたい」という方は、間違いなくフラグシップのSE846だ。全帯域が極めて高解像かつ濃密で、格別の音楽再生を楽しませてくれる。なお、SE215/535にラインナップする2つのスペシャルエディションは、いずれもメリハリよく音楽を楽しめるので、より聴き手に迫る積極的な音を楽しみたい方や、タッチノイズ等が増えるエクササイズのお供などにも特にオススメだ。

SE215/535に用意されるスペシャルエディションは、よりメリハリのあるサウンドを楽しめる(写真はSE215。手前右のトランスルーセントブルー、中央のホワイトがスペシャルエディション)



数多くのワイヤレス・イヤホンを試聴して実感するのは、RMCE-BT2によるワイヤレス再生の音質の良さは、やはり完全ワイヤレス型ではまだ得られない領域だということ。特に、ノイズ感を抑えたクリアな描写による解像感の高さ、そして充実した低域の厚みの両立は、まさに本機だけで味わえる世界だと言えよう。

音楽ソースに忠実な表現でありつつも聴き心地良く、飽きの来ない充実した音、つまり「Shureサウンド」を、ワイヤレスであっても十全に楽しめるのである。ぜひSEシリーズとともに、Shureでしか再現できない高品位なワイヤレス再生を体験してみてほしい。

(生形 三郎)

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