組み合わせ試聴+単体音質もチェック

躍進のモデルチェンジ、5万円で大型SPも鳴らす! デノン「PMA-600NE」「DCD-600NE」レビュー

生形 三郎

前のページ 1 2 3 次のページ

2019年09月28日

CD再生専用機の「DCD-600NE」は、金属シャーシによるダイレクト・メカニカル・グラウンド・コンストラクションやトップカバーの剛性向上、そして高音質パーツの多数採用など、NEシリーズで採用されている多くの要素を継承。さらに基板構成の改良によってケーブルやコネクターを減らすなど、シグナルパスの短縮も実施され、従来モデルの「DCD-755RE」(以下、755RE)から大幅なクオリティアップを追求、そして達成している。もちろん信号処理部には、同社独自のアナログ波形再現技術である「AL32 Processing」を搭載する。

DCD-600NEも、ボディの剛性強化、信号経路の短縮などノウハウを堅実に反映しつつ、全体的なクオリティアップを図っている

機能面で見ると、これまで755REに搭載されていたUSB-A入力、そしてヘッドホン出力が省かれている。もっとも、755REのUSB入力は圧縮音源ファイル再生専用のもので、PMA-600NEに搭載のBluetooth再生で十二分にカバーできるので、時代の流れを加味すれば当然の変更であろう。同じくヘッドホン出力もPMA-600NEに搭載されているので、むしろ、レシーバーセンターであるアンプ側にそれら機能を集約させ、余計な機能を省くことでCD再生の音質確保に専念させるという設計の方が、理にかなっているといえる。

両機種ともに「600NE」シリーズとして筐体幅は統一されている

「600NE」ペアから生まれるパワフルで元気なサウンド。大型スピーカーも難なく駆動する

それでは、実際の音質をレポートしていきたい。はじめに、600NEシリーズ両機を組み合わせて試聴を行なった。スピーカーは、リファレンスとしてB&W「803D3」で試聴後、より実際的な組み合わせとして、フォステクス「GX100BJ」を接続して試聴した。

B&W「803D3」、フォステクス「GX100BJ」と2通りのスピーカーで試聴

803D3を駆動してまず驚かされるのは、すんなりと803D3を鳴らせてしまえる、という事実だ。これは800NEシリーズの試聴時にも体験したことだが、600NEシリーズでも低域側のグリップ力において不足がないのだ。もちろん、駆動の質という点で言えばまだスピーカー側に余力は感じさせるものの、実用的なサウンドを難なく引き出している点に、ただただ感心させられる。

最初にアナログ入出力同士を接続して試聴したが、音の描かれ方としては、歌声や楽器の音像がしっかりとした明瞭な輪郭で描き出され、エネルギッシュにこちら側へ迫ってくるという印象を持つ。演奏に含まれるブレスなど細部の情報も、とにかく一様に拾い上げて聴き手に届けるようなパワフルさがある。音の出方に勢いがあり、付帯感がなく抜けがよい。実に元気な音だ。このあたりは、一対の増幅素子だけでドライブする、シングルプッシュプルというシンプルな増幅構成による鮮烈さ、豪快さが現れているのだろう。

ジャズトリオのピアノパートは、フルコンサートグランドピアノの大きな筐体の箱鳴り感もしっかりと再現され、高域方向は硬質感のある響きで明るく描き出す。また、低域が充実し胸板が厚いのだが、やはりそこに付帯感や強調感がなく抜けの良い快活さを湛え、全体的に楽器の音が張り出してくる印象である。

70年代のブリティッシュ・ロックを再生すると、その張り出しが実に効果的に現れた。ドラムスのフロアタムは適度な重さでもって豪快に叩かれ、歪ませられたエレクトリックギターもブライトかつエネルギッシュな質感で迫力充分に迫ってくる。バンドが持つワイルドさやラフな演奏の質感などが、実に高い高揚感でもって心に響いてくるのである。

低音の質感描写を確認するためにパイプオルガンを再生すると、超低域の立ち上がりの素早さに驚かされる。厚みを持った力強い低域がすっくと迫る。同時に、高域側も明瞭かつ真っすぐに聴き手に迫り、旋律がストレートに耳に届く。空間再現も見通しが良好で、ホール空間に響き渡るオルガンの音色が、澄んだ音で拡がっていく。総じてS/N感がよく、スッキリと、メリハリある質感で音楽を楽しませてくれる。NEシリーズの流れをしっかりと汲んでいることが実感できるのだ。

デジタル/ワイヤレス入出力も音質に妥協なし

前のページ 1 2 3 次のページ

関連記事