フォノイコ内蔵/USB出力搭載

ナイフエッジ・トーンアーム搭載の多機能プレーヤー、TEAC「TN-3B」の実力を探る

小林 貢
2019年09月05日
サエクとの共同開発によるナイフエッジトーンアーム搭載プレーヤーの第二弾「TN-3B」が登場した。先行して登場した「TN-4D」はダイレクトドライブだが、こちらのTN-3Bはベルトドライブであるなど、ティアックらしいこだわりのチューニングが随所に込められている。フォノアンプも内蔵、USB出力も搭載しレコードのデジタルアーカイブも可能な本機の魅力を、小林 貢氏が解説する。



TEAC
アナログプレーヤー
TN-3B
¥OPEN(予想実売価格¥54,800前後)


年々人気が高まっている感のあるアナログ業界。近年では、リーズナブルなアナログプレーヤーを内外問わず多くのメーカーが登場させており、多くの人にとっても親しみやすい、非常に良い環境が整いつつある。今回のティアックも、2014年にTN-350を発表して以来、ハイスペックとスタイリッシュさの両立を目指したプレーヤーの開発に、意欲的に取り組んできたブランドのひとつだ。

本年初頭には、トーンアームブランドとして再びの注目を集めるSAEC社とコラボした新設計のトーンアームを搭載したTN-4Dを世に送り出し、その価格を超えた音の良さには大いに驚かされた。そしてその感激が冷めないうちに、さらに今度は新たにベルトドライブのTN-3Bが発表されたのは喜ばしい出来事だ。

本機もTN-4Dと同様、洗練されたスリムなデザインで設計されている。カラーはホワイト、ピアノブラック、チェリーの3種類をラインアップ。ホワイトとピアノブラックはMDFに直接、多層塗りの光沢仕上げを施し、高級感を醸し出している(チェリーは天然木突板に多層塗りの光沢仕上げ)。主要パーツをマウントするコア部にMDF素材を使用することで、高剛性を確保するとともに制振性も高めている。

カラーはホワイト(上)、ピアノブラック(左)、チェリー(右)

また前述の通り、TN-4Dがダイレクトドライブであったのに対し、本機では外掛け式ベルトドライブに変更。モーターの回転数が上がることで、プラッターのトルクと回転の滑らかさが増し、コギングの影響が最小限に抑えられている。プラッターは、引き続きアルミダイキャスト製を採用している。

外掛け式ベルトドライブとアルミ・ダイカスト製プラッター

また、MM型対応のフォノアンプもTN-4Dと同じく内蔵しており、信頼性の高い新日本無線製の高精度オペアンプNJM8080を投入。付属カートリッジはSUMIKO製OYSTERから、「AT-VM95E for TEAC」に変更となった。フォノアンプスルーもできるライン出力の他、デジタルアーカイヴ化が可能なUSBデジタル出力を備えているのもTN-4Dとの共通仕様だ。

TN-3Bのリア部。中央のツマミでフォノスルーの切り替えが可能。USB出力端子も搭載し、レコードのデジタルアーカイブが可能だ

VM型カートリッジ「AT-VM95E for TEAC」が付属する

そして、最大の特徴であるナイフエッジ機構のトーンアームは、TN-4Dと同様のものを採用。SAECとの共同開発で設計されたこのアームは、一般的なものと比べ、上下方向への繊細な動きを実現する可動方式が搭載されており、よりトレース能力が高められた設計となっている。

ナイフエッジトーンアームを採用する

内蔵フォノEQで聴いたが、TN-4Dと同じく、価格を確実に超えたと思える質の高いサウンドを実現している。また、シンプルなフォノ回路による最短でのライン出力がなされているためであろう、鮮度の高い再生音が得られる。SN比の高さも想像以上だ。100人以上という大編成オーケストラ作品『ロメオ&ジュリエット』では、怒涛の迫力も破綻なくリアルに再現される一方、弱音部の繊細さや背景の静けさも正確に描き出し、ポテンシャルの高さを実感できた。

単体フォノアンプと組み合わせれば確実な音質向上が図れるだろうが、むしろこのサウンドでこそ、好きなレコードを存分に楽しみたいと思わせてくれる音である。

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