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【特別企画】AIでNCと音質調整

ノイキャンヘッドホンの勢力図を変え得る逸品! Jabra「Elite 85h」レビュー

公開日 2019/05/28 06:00 草野晃輔
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サウンドは上質で高解像度。ANCのおかげで曲に没頭できる

長々と説明をしてきたが、ここからはサウンドを確認していこう。試聴機は前述したオンキヨーのGRANBEAT。楽曲はAmazon Music Unlimitedで再生した。本機はノイズキャンセリング機能の利用が前提ということもあり、ANCがオン、イコライザーはデフォルト(フラット)設定の「通勤」モーメントに設定して試聴した。

最初に聴いたのは、ブルーノ・マーズの「24K Magic」。イントロのコーラスを一聴するだけで音の明瞭さが分かる。ベース音が入り厚みが増すと、そこに潤いが加わる。音の解像度が高くエッジが立っているにもかかわらず、適度に丸みを帯びたサウンドで耳に刺さる感じは皆無なのだ。またANCが効いてノイズが少ないこともあり、細かい装飾音まで容易に聞き分けられることも印象に残った。

続いて聴いたのはクイーン「We Will Rock You」。不朽の名作で、説明は不要だろう。この曲で注目したのは、床を踏みならす音とハンドクラップ。一つ一つの音が粒立ち、しっかり分離しており、立体感が感じられたのだ。ステレオイメージに乏しいヘッドホンで、しかもBluetooth接続でこれほどの空間感を味わえるモデルは希有と言ってよい。

ボーカルは人気沸騰中のシンガーソングライター、あいみょんの新曲「ハルノヒ」で確かめた。クリアーかつノイズが少ないサウンドで、曲の世界に入り込みやすいためか、歌詞を聴いて情景がストレートに思い浮かぶ。潤いたっぷりの歌声にも聴き惚れる。特にサビに入る前、歌声に力が入って盛り上がっていく部分では、情感に富んだ節回しに、聴いているこちらも思わず力が入ってしまうほどだ。

BTヘッドホンでこれほどの空間感を味わえるモデルは希有だろう

本機はφ40mmのドライバーを搭載し、Bluetoothは5.0に準拠。コーデックは当初SBCに対応し、今後AACも追加される。これら以外のスペックはあまり公開されていないが、これは「下手な先入観を持たずに聴いて欲しい」というJabraからのメッセージなのだろう。楽曲の魅力を余すことなく楽しめる瑞々しいサウンドは魅力に溢れ、スペックなど一切気にならない。

今回、試聴中に電話がかかってきて、タイミング良くハンズフリー通話を試せたのだが、ここでも驚きがあった。幹線道路沿いを歩きながら会話していたにも関わらず、相手はノイズをほとんど感じなかったようで、室内にいると勘違いしていたのだ。通話時は8個のマイクのうち、6個が割り当てられるそうで、周囲の騒音を低減するという。実際に通話の相手は、すぐ近くをトラックが行き来していることすら分からなかったそうだ。

これだけ強力なANCを常時使っても、1回の充電で最大36時間使えるというロングライフにも驚きだった。カタログ値と実測では違うだろうと、意地悪く試してみたのだが、実際に20時間以上聴いても、まだ約50%もバッテリーが残っていた。これには素直に脱帽だ。

JabraのElite 85hは、ライバルのノイズキャンセリング機能搭載Bluetoothヘッドホンに勝るとも劣らない機能、性能を備えている。そしてそこに、楽曲に込められた魅力を最大限に引き出すクリアで潤いあるサウンドという、唯一無二の魅力までプラスされている。Elite 85hはライバルたちの一角に加わり、勢力図を大きく変えることを予感させるモデルだ。

Jabra Elite 85hはノイキャン機能搭載BTヘッドホンの勢力図を大きく変える存在となりそうだ

(協力:GNオーディオジャパン)

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