自然かつワイドレンジなサウンドを実現

どんな美辞麗句も足りない、イヤホンの最高到達点! Meze Audio「RAI PENTA」レビュー

高橋 敦

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2019年04月25日
新鋭Meze Audioの“あの”イヤホンが遂に登場!旗艦モデル「RAI PENTA」

“あの”イヤホンのプロトタイプが我々の前に初めて披露されたのは、2017年11月のヘッドフォン祭。あれから一年半を経てその試作機が遂に完成に至った。Meze Audioのフラグシップイヤホン「RAI PENTA」の登場だ(関連ニュース)。

「RAI PENTA(ライ ペンタ)」¥OPEN(市場想定価格128,000円/税込)

こちらのモデル、初披露以降もそのタイミングごとの試作機が展示される機会が幾度かあったのだが、いつ聴いても「すぐにでも製品化して問題ない完成度なのでは?」と思わされる見事さだった。しかし、同社代表にして開発を率いるアントニオ・メゼ氏は、今回の発売にあたってこう述べている。

「このモデルは我々がユニバーサルIEMのベストを追求してきた3年間の集大成だ。もっと早くにリリースすることもできたかもしれないが、これが我々の達成できるベストだと確信できるまで開発を続けた」。

実際、届けられたその製品版の完成度は、「研ぎ澄まされた」や「一部の隙もない」といった言葉を何度使っても足りないほどの領域に達している。それはもちろんサウンドも含めてだが、音を聴き始める前、それを目にしたとき、それを手にしたとき、それを耳に入れたとき、それぞれの時点でその度に感心させられるほどだ。

ハウジングは独特の滑らかなカットが施され、美しく深みのあるブルーブラックカラーが採用される

まず目にしたとき。アルミ削り出しのハウジングの美しさに見惚れる。独特の滑らかなカットは、ハイエンドギターのエルボーコンターのようだ。アルマイト処理による表面仕上げの色合いは、黒のようでいて単純な黒ではない。微かな青も含んでおり、万年筆のインクのような深みを備えている。後述する「PES」機構の空気孔、その意味ありげな形状も雰囲気がある。

アルミ削り出しのハウジングは、滑らかなカットラインが美しい

次に手にしたとき。プロトタイプにおいてブラスハウジングも試作されており、それはそれで素晴らしいサウンドだったが、製品版は前述のようにアルミを採用。心地よい適度な重量感だ。手触りも上質で、ハウジングはフェイス側と耳側を合わせる構造だが、その合わせ目を指先でなぞっても、隙間や段差をほとんど感じられない。手で触れて実感できるのは外側だけだが、内部までこのような精度で製造されているのだろう。そういった信頼感を与えてくれる。

フェイス側と耳側の合わせ目までスムースに成形。イヤホン端子はMMCXを採用する

そして、耳に入れたとき。素晴らしいフィット感だ。カッチリとか吸い付くようにではなく、優しくスッとそこに収まる感じ。ハウジング表面のさらりとした質感もそこに貢献していると思う。先ほど触れたコンターカット的な窪みも実は、そこがよい具合に耳に収まる。ユニバーサルのイヤーモニター形状としては最上級の部類に入るだろう。

表面のさらりとした質感で、自然に耳穴にフィットする

緻密に設計された金属製サウンドチューブや空気孔により、ドライバーの調和を実現

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