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評論家・野村ケンジがレビュー

手頃な価格でも侮っちゃダメ! JVC “高コスパ” Bluetoothヘッドホン/イヤホン3モデルを聴く

公開日 2019/02/23 07:00 野村ケンジ
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ワイヤードモデルよりも、手軽さが特徴のBluetoothワイヤレスモデルに人気が集まっているイヤホン/ヘッドホンだが、近年は3,000円台や4,000円台で入手できるヌードルタイプ(左右イヤホンがケーブルで繋がっているタイプ)のイヤホンや、5,000円前後のポータブルヘッドホンなど手軽な価格の製品も登場。スマートフォンやタブレットで音楽や映像を楽しみたいユーザーなど、幅広い層からの人気を集めている。

そんなタイミングもあってか、この2月にJVCから手頃な価格帯のBluetoothイヤホン/ヘッドホンが3モデル、立て続けに登場することとなった。ひとつはスポーツ向けBluetoothイヤホン「HA-EC9BT」、ひとつはポータブルタイプのBluetoothヘッドホン「HA-S48BT」、そしてもうひとつがインナーイヤー型のBluetoothイヤホン「HA-F15BT」となる。今回、3モデルを一斉試聴する機会に恵まれたので、コストパフォーマンス視点をふまえつつ、その音質と使い勝手についてのレビューをお届けしよう。

HA-EC9BT

HA-S48BT


HA-F15BT

■スポーツ向けモデル「HA-EC9BT」:「装着感はかなり良好。メリハリのハッキリしたサウンドキャラクター」

まず、最初に紹介する「HA-EC9BT」は、スポーツユースに配慮されたデザインを持つカナル型Bluetoothイヤホン。独自の可動式構造によって耳にしっかりとフィットしてくれる「ピボットモーションイヤーフック」を採用したうえ、汗や水しぶきに強いIPX2相当の防滴仕様を備えることから、スポーツ時にも大いに活用することができるアピールしている。また、標準イヤーピースに加えて、周囲の音が聴こえやすい低遮音イヤーピースも付属。屋外使用時の安全性にも配慮されている。

独自の可動式構造で耳にフィットする「ピボットモーションイヤーフック」

ユーザビリティ面では、Bluetoothは4.1に準拠し音声アシスタント機能の起動にも対応した簡単リモコン&マイクを搭載するほか、コーデックはSBCに対応する。連続動作時間は約4時間となっている。

低遮音イヤーピース(左)と通常のイヤーピース(右)。低遮音イヤーピースは小さな穴や溝を設けることで遮音性を落として周囲の音を聴きやすいようにしている

ということで、「HA-EC9BT」を実際に試聴してみる。装着感については、かなり良好といっていい。イヤーフックが柔らかすぎず硬すぎず、デザインも絶妙なため、高いフィット感をもたらしてくれる。これだったら、ランニングなどの運動時にも外れることはないだろう。

続いて、肝心の音質はというと、メリハリのハッキリした、ドライな印象のサウンドキャラクターが特徴。スネアの音は軽快で弾みがあり、ハイハットの音もキレが良い。低域はそれなりのボリューム感を持ちつつ、フォーカス感も高いため、なかなかにヘビーな重低音が楽しめる。

ヴォーカルは男性がややハスキーな印象だが、女性は比較的ニュートラルで伸びやかな歌声を聴かせてくれる。解像度はSBC然としたレベルで音数も多くはないが、聴かせどころが巧みなバランスとなっていて、この価格帯、しかもスポーツモデルとしてはなかなかに良質なサウンドチューニングといえる。

■ポータブルヘッドホン「HA-S48BT」:「オンイヤー型ヘッドホンならではのダイレクト感の高いサウンド」

続いて紹介する「HA-S48BT」は、屋外や通勤などの利用をメインターゲットとしたポータブルヘッドホン。約158gという軽量ボディや、全体が統一色でコーディネートされたブラック/ホワイト/ブルーのカラーバリエーション、オンイヤー型のイヤーパッド、バッグなどに収容しやすいスイーベル機構を採用するなど、屋外で手軽に活用できるよう、様々な工夫が盛り込まれている。

スイーベル機構を装備

また、約3時間の充電で連続約17時間の音楽再生が行えるほか、ボリューム調整や楽曲の再生/停止などのリモート操作が行えるリモコンボタンを装備。こちらは、ハンズフリー通話が行えるほか、スマートフォンの音楽アシスタントの起動に対応している。コーデックはSBCをサポートする。

ペアリングしたスマホの楽曲操作や着信を操作できるボタンなどを装備

オンイヤー型ヘッドホンならではの、ダイレクト感の高いサウンドが特徴。そのため、SBCコーデックという縛りを感じさせない音数の多さと音切れの良さを感じる。

例えばドラムは、スネアもハイハットもエッジの立った、キレの良いサウンドを披露。低域のウォーかスカンもしっかりと確保されているため、バスドラムやタムの音も明瞭で、グルーブ感の高いサウンドが楽しめる。いっぽう、音色傾向はほんの少しだけドライ寄りな印象で、男性ヴォーカルも女性ヴォーカルも、少しだけハスキーな大人っぽさのました歌声を聴かせてくれた。

また、ノーマルモードに加えて、迫力のある低音を楽しめるバスブーストモードが搭載されているため、こちらも試してみた。もともとしっかりした低域の量感を持っていることもあり、オンにしても音色的な変化はそれほどなく、純粋に迫力が増してくれたイメージだ。好みでどちらかを選ぶのもよいが、屋外や電車内などでオンにするなど、シチュエーションによって使い分けるのもひとつの手だ。

■レトロデザインのインナーイヤー型「HA-F15BT」:「中域を重視した聴きやすいサウンドキャラクター」

最後に紹介する「HA-F15BT」は、iPhone純正イヤホンやAirPodsのような、インナーイヤー型の本体デザインを採用したBluetoothイヤホン。また、外観にレトロチックなツートーンカラーを採用しているのも特徴となっている。ちなみに、カラーバリエーションはRB(レッド×ブラック)、AH(ブルー×グレー)、GC(カーキ×ベージュ)、PT(ピンク×ブラウン)の4パターンが用意されている。

ツートンカラーデザインが特徴

本体はIPX2の防滴性能を備えており、汗や水滴にも強い仕様となっている。また、ケーブルは微細な溝を入れることで絡みにくくした「グルーヴケーブル」を採用。リモコン部は、音量調整や音楽再生/停止、Bluetoothペアリング、ハンズフリー通話が行えるほか、スマートフォンの音声アシスタント起動などの操作できるようになっている。

リモコン部

そのサウンドは、かまぼこ形の帯域バランスというべきか、中域を重視した聴きやすいサウンドキャラクターが特徴となっている。特に高域は伸びやかさはあるもののピークが巧みに抑えられ、ウォーミーなイメージのサウンドに纏め上げられている。長時間聴いていても聴き疲れしない、優しい印象のサウンドだ。そのため、男性ヴォーカルは普段より優しい声色をした、とても心地良い歌声が楽しめる。

いっぽう、女性ヴォーカルも普段よりも幾分鼻にかかった響きになるが、優しい印象とのびのびとした印象を併せ持つ、バランスの良い歌声となっている。また、低域はしっかりとしたボリュームを持つため、屋外での試聴でも迫力が不足することはなさそうだ。

そのいっぽうで、楽曲のキャラクター的にも相性の良し悪しを感じた。相性の良かったのは王道ロックなどのアメリカンサウンド。Jポップだと、ややウォーミーさが強調された音色傾向となるが、このあたりは、あくまでも好みの範疇といえる。いずれにしろ、インナーイヤー型の本体デザインとも相まって、長時間の試聴に向いたモデルといえる。



このように、今回試聴したJVC製Bluetoothイヤホン/ヘッドホン3モデルは、いわゆる低価格モデル、エントリークラスに位置する製品でありながらも、Bluetoothワイヤレスならではの使い勝手はもちろん、それぞれに個性的なサウンド表現を持つ良好な製品だということが確認できた。特に音質に関しては、相当に高いコストパフォーマンスを持ち合わせているといえる。

なかでも個人的なおすすめは「HA-S48BT」。5000円前後でこの音質はなかなか得難い良質さだ。いずれにしろ、3製品ともにとても手頃な価格なので、是非とも自分にとってのお気に入りを見つけ出して欲しい。

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