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Pro IEMシリーズのイヤホン

Fender「NINE 1/NINE」レビュー。巧みな音作りを手頃な価格で楽しめる、新IEMのエントリー機

公開日 2018/12/30 08:00 草野晃輔
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ダイナミック型ドライバーを1基搭載のエントリー機「NINE」

エントリーモデルのNINEは、NINE 1と同じφ9.25mmダイナミック型ドライバーを1基のみ備える。ハウジングの形状やサイズもNINE 1と変わらない。外観で異なるのはカラーリングで、こちらはBlack Metallic(ロゴが赤文字)とOlympic Pearlの2色展開となる。スペックは再生周波数帯域が11Hz〜20kHz、インピーダンスは16Ω(kHz)、感度は106dB(1mW)となる。価格は14,280円前後とグンとお安くなっている。

「NINE 1」(Gun Metal Blue)

付属品は、2モデルとも共通。イヤーチップはフォームタイプ(低反発)が3サイズ、TPEイヤーチップが4サイズ付いており、他にクリーニングツール、セミハードタイプのFenderロゴ入りキャリングケース、3.5mm→6.3mm変換プラグがセットとなる。


ダイナミックにグルーヴを表現してくれるNINE 1

では、レビューに移ろう。両モデルともイヤーチップは、フォームタイプとTPEタイプの2種類が付属するが、今回は筆者の耳と装着感がマッチしたTPEタイプを選択した。プレーヤーにはAstell&Kernの「AK380」を使っている。

NINE 1を装着する。ハウジングはコンパクトで、耳たぶから大きく出っ張ることはない。装着方法には注意が必要だ。ノズルをまっすぐに耳に挿入すると密閉感が乏しく、低域がスカスカしてしまう。やや後ろから前に回転させるようにしてねじ込むことで、耳とIEMがフィットして、Fenderが目指した本来のサウンドを味わえるようになる。

まずはダイナミック+BAのNINE 1(Black Metallic)をチェックした

NINE 1は、ハイブリッド型のメリットを活かした、グルーブ感に富んだダイナミックなサウンドが魅力だ。低域のパンチ力が心地よく、クイーンの「ボヘミアンラプソディー」は、ライブ会場でベースやドラムの音が体を貫くような感覚で低音がズンズンと迫ってくる。そこに、張りのあるフレディのボーカルが重なる。HDBAドライバーの威力だろうか、従来モデルのサウンドより高解像かつ明瞭で、音像が一歩前に出て再現される。

アニソンからClariS「CheerS」を聴く。この曲は音数の多いサウンドと、クララとカレンの重なるボーカルを、どれほど明瞭に描き分けられるかを中心にチェックした。こちらも、力強い低域と艶のあるボーカルをともに楽しめた。音数が多いところでも、決して音の要素がつぶれることはなく、ふたりの声を聴き分けることも容易だった。

ジャズのビル・エヴァンス「Waltz for Debby」は、低域の力強さから一聴するとアンバランスに感じられるかもしれないが、決してそんなことはない。滑らかで表現力に長けた中高域のおかげで、聴くほどにバランスの良さを感じられるはずだ。

次ページクリアかつナチュラルなバランスが持ち味の「NINE」

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