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スコットランド発の新鋭

新進スピーカーブランド「FYNE AUDIO」が日本初上陸 − その哲学とサウンドを集中レポート

2018/10/24 山之内 正
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2017年春に創業した注目のスピーカーブランド「FYNE AUDIO(ファイン・オーディオ)」が、いよいよ日本に上陸する。取り扱いはアクシス(株)。スコットランドに居を持つファイン・オーディオ社は、スピーカー開発・販売に長く関わってきたメンバーにより創立され、かつてない独自の技術を開発・搭載し、瞬く間に多くのシリーズをリリースしてきた。これらは、すでにヨーロッパを中心に高い評価を獲得している。ここでは、来日を果たしたテクニカルディレクターのDr. Paul Mills氏のインタビューをベースに、この新しいブランドの方向性や理念を紹介。さらに、主力モデルのパフォーマンスもレポートしていきたい。

左から「F502」「F501」「F500」



スピーカーシステム
FYNE AUDIO
F501 ¥198,000(ペア・税別)
F500 ¥98,000(ペア・税別)
F502 ¥270,000(ペア・税別)

FYNEAUDIOの成り立ちと特徴
スピーカー作りに携わったプロが理想を求めて起こした新ブランド

ファイン・オーディオはスコットランドに本拠を置くスピーカー専業メーカーである。創業は2017年春と新しいにもかかわらず、4シリーズ計10モデルを超えるラインナップを揃えてこの夏に日本も含め世界同時デビューを果たす。

まったくの新参メーカーにそんな離れ業ができるとも思えず、背景を探ってみると、すぐに納得のいく答えが返ってきた。主要メンバーはいずれもタンノイに長期間在籍し、同社中枢でスピーカーの設計、生産、販売に豊富な経験を重ねてきたという。スピーカー作りのプロフェッショナルたちが自ら理想のスピーカーを生み出すべく老舗ブランドをスピンアウトし、新しいブランドを立ち上げたのである。

社名のFYNEはスコットランド南西部のファイン湖(Loch Fyne)に由来し、ロゴマークは山と湖が織りなすスコットランドの景観がモチーフだ。スコットランド最大の都市グラスゴー近郊の本社は工場を併設し、上位シリーズについては現地の熟練したスタッフが生産と調整を行う。自ら強く主張することはないが、「メイド・イン・スコットランド」に相当なこだわりがあるのは間違いなさそうだ。

同社テクニカルディレクターのDr. PaulMills氏。「正確な再生と同時に、リスナーが楽しめるスピーカーを目指しています。多くのハイエンドスピーカーはハイファイということがあっても、生の音楽を聴いている方にとっては決して正確ではない音で再現されている場合が多いと思います。生の音楽と同様の、正確性を追求して開発しているのです」と語っていたのが印象的だった

開発の中核を担うチーフエンジニアのポール・ミルズ氏はファイン・オーディオが目指す音について「澄んだ低音と点音源の正確な音像再現をベースに高精度なサウンドを実現します。それと同時に家庭用モデルらしく音楽を楽しめるスピーカーを目指しています」と紹介する。派手さを狙わない誠実なアプローチがうかがえるが、実際の製品もその言葉通りに作られている。具体的に紹介していこう。

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