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10月26日発売

「iPhone XR」レビュー。XSやXS Maxと肩を並べる完成度、廉価機でも下位機でもない

公開日 2018/10/23 19:00 山本敦
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ARをキビキビと楽しめる高いプロセッサー性能

ARアプリは間もなくリリースされる、ARKit 2のフレームワークによって開発された立体ブロック崩しゲーム「AR Blast」を体験した。iPhone XRのカメラをテーブルの上など平面にかざすとARオブジェクトがすぐさま表示される。

ARKit 2では、複数のiPhone/iPadユーザーが1つのゲームの世界に入り込んで同時にプレイできるのが特徴だ。AR Blastもブロック崩しの「対戦」モードが大いに盛り上がる。今後のARゲームの普及に備え、操作にキビキビ反応する最新のiPhoneを用意しておく必要性を痛感した。

ARKit 2のフレームワークで制作された立体ブロック崩しゲーム「AR Blast」。現実世界の中に配置したARオブジェクトへの操作はとてもレスポンスが良かった。友だちと対戦できるARゲームがこれからますます増えるだろう

iPhoneによるARエンターテインメントは、ウェブショッピングの世界にも広がりつつある。アップルは夏に開催された開発者向け会議WWDCで、ARのオープンフォーマット「USDZ」を発表した。同形式で作られたARオブジェクトのファイルをウェブなどに埋め込むと、ARKit 2に対応したiOSデバイスのSafariでサイトにアクセスして読み込み、ARクイックルックの機能を使って、カメラで撮った現実世界の映像に重ね合わせて楽しめる。

マグノリアの雑貨販売サイト。販売する商品のページにUSDZ形式のARオブジェクトを配置している

ARKitに対応するiOSデバイスでページを開いて、商品右上にあるアイコンをタップするとARオブジェクトの表示・配置画面に切り替わる

海外では、雑貨や自転車を販売するショップなどがUSDZ形式のARオブジェクトをアイテムのページに埋め込み、サイズ感などをシミュレーションできるサービスを実験的にスタートした。この手のサービスは、今後国内でも次々とローンチしそうだ。

iPhone XR固有の機能ではないが、iOS 12に新しく加わった「Siriショートカット」も紹介しておきたい。Siriの学習能力を活かし、iPhoneのユーザーがふだん頻繁に使っているアクションに、音声によるSiriの操作から起動できる固有のショートカットを割り当て、「Siriのカスタマイズ」ができるというものだ。

iOS 12に組み込まれたSiriのカスタマイズ機能「Siriショートカット」。無料アプリ「ショートカット」を開くと「ギャラリー」に便利なショートカットが並ぶ

使えそうなものをライブラリに登録。ユーザーがショートカットを自作することも可能だ

iOS 12のアップデートと同時に配信が始まった「ショートカット」アプリを使うと、頻繁に使うアプリや操作をベースにしたSiriショートカットを自作したり、「ギャラリー」に並ぶショートカット集から任意のものを選んで使うこともできる。Apple Musicの音楽再生が快適になるSiriショートカットなどもおすすめだ。



実機で試した手応えから、iPhone XRは先行して登場したiPhone XS/iPhone XS Maxと比べても、どちらかが上位という序列が付けがたいほどの高い完成度に到達していると強く感じた。

もちろんiPhone XSシリーズは、有機ELのSuper Retina HDディスプレイだからこそ表現できる映像美があるし、6.5インチのiPhone XS Maxの大画面の没入感は、ほかの端末では得がたい。対するiPhone XRは、毎日手にしていると自然と気持ちが明るくなってくるようなビビッドなカラーとデザインがオンリーワンの魅力だ。

今年はiPhoneの買い換えをためらっていたという方も、思わず食指が伸びてしまうであろう、高い完成度を持つデバイスが登場した。

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