AKG「N5005」の実力を200％引き出す！ ハイエンドDAP＋アンプとの組み合わせをチェック

■システム提案A：NW-WM1Z＋Hugo 2

さて、最初の提案システムはこちらだ。

●イヤホン：AKG 「N5005」
●DAP：Sony 「NW-WM1Z」（￥299,880前後）
●アンプ：Chord 「Hugo 2」（￥299,980前後）

まずポータブルとしての基本セットはN5005とSonyの「NW-WM1Z」。ケーブルは日本版パッケージのみ標準付属となっている純正ハイグレードケーブル「CN120-3.5」を使用。N5005のチューニング・フィルターは「REFERENCE」を選択する。

WM1Zとの組み合わせでも前述の「良好な帯域バランス」「絶妙な高域」「充実の低域」はもちろん生かされる。そこにWM1Zならではの「しなやかさ」「ほぐれた粒子感」「落ち着いた重みのある低音」が上乗せされるのがこの組み合わせだ。

例えばギターのエッジはN5005らしい現代的なキレを生かしつつ、そのエッジから広がる倍音感がより柔軟かつ濃厚に。シンバルやベルなど金物のサウンドは鋭さを鈍らせることはなく、眩い輝きから柔らかな輝きに。

早見沙織さん「琥珀糖」はご本人の歌とピアノのみによる曲。深いリバーブで部屋中に満たされたピアノの響きと、それも歌の一部になっている様々なニュアンスでのブレスが印象的だ。

この組み合わせはまさにその魅力を存分に引き出してくれる。ピアノの響きの粒子は空間を濃密に満たし、ブレスの柔らかさや速さのコントロールも明瞭かつしなやかに届けてくれる。

微細な粒子を描き出す解像感はN5005とWM1Z双方のレベルの高さがあってこそ。その粒子が帯びる心地よい湿度感はWM1Zの持ち味をN5005がしっかり届けてくれているところだ。