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厳しいTHX認証をパスしたコストパフォーマンスの高い機種

オンキヨーのAVアンプ「TX-NR686」レビュー。幅広いニーズに応える優秀な中堅モデル

公開日 2018/07/03 08:00 鴻池 賢三
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また、空間の見通しが良く、セリフが埋もれないのも映画コンテンツと好相性。明瞭で聴き取り易いのはもちろん、肉厚でテクスチャが濃く実体感を伴った再現力は特筆に値する。言い換えると、空間に対する音の分離が良く、S/N、歪み、位相といった基本部分の出来の良さを感じ取れる。

「Dynamic Audio Amplification」コンセプトには、位相のズレを抑止する「ノンフェーズシフトアンプ」が含まれ、2chよりもスピーカーの多いマルチチャンネル再生では、その恩恵がより多く感じられるようだ。サブウーファーを擁するマルチチャンネル再生は、実にバランスの良い高品位サウンドを奏で、このクラスの製品としては非常に優秀と言える。



過去の600番台モデルに比べると、フロントパネルがアルミ材から樹脂材へ、ヒートシンクがアルミ押し出しからコルゲートタイプへなどといった変更も見られるが、こうした物量投入はイメージ戦略的な意味もあり、より質実剛健に向かったと考えると割り切れる。

近年はハイスペックなHDMI端子、WiFi、ハイレゾネットワーク再生機能、各種ストリーミングサービスへの対応など、AVアンプに求められる機能や性能は飛躍的に高まっているが、一方で販売価格は抑えなくてはならないという矛盾があり、贅肉を極限まで削ぎ落とすことが求められる。

本機では、そうした事情を取り込みつつ、「Dynamic Audio Amplification」コンセプトのような核心を守り抜く方向で、トータルバランスに優れ、コストパフォーマンスも高く仕上げられている。リビングシアターから専用ルームまで、幅広いニーズに応えてくれる優秀中堅モデルと言える。

(鴻池 賢三)

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