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上位モデルや過去の銘機とも比較試聴

デノンの準旗艦ヘッドホン「AH-D5200」レビュー。ゼブラウッドハウジングがもたらすリアルなサウンド

公開日 2018/05/22 11:00 岩井 喬
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筆者愛用の「AH-D5000」とも聴き比べてみた

筆者は10年余りAH-D5000を愛用してきた。最後に完全に蛇足ではあるが、デノンのウッドハウジングモデルの1ファンとして、AH-D5000とAH-D5200との比較も行ってみたのだが、いざ向き合ってみると、10年の間の解像度や音像フォーカス力の向上を痛いほど実感するに至った。

「AH-D5000」は発売から10年ほど経つが、まだまだ現役レベルのクオリティを備えている

AH-D5000は柔らかく響きの豊かなマホガニー製ウッドハウジングを用いていることもあり、伸び良く潤い豊かな余韻を艶良くキリっとした鮮やかな音像描写とともに味わえる絶妙なサウンドバランスを持っていた。それゆえボーカルの口元もやや広く感じられ、輪郭の位置関係が甘くなる部分も多い。

それに比べるとAH-D5200は幾分クールで、冷静に音源に向き合っているような部分も感じられる。ハイレゾ音源をしっかり聴き込むというのであれば、文句なくAH-D5200を選ぶが、雰囲気を含めて音楽をゆったり楽しむということであればAH-D5000もまだまだ現役レベルのクオリティであるといえよう。



ポータブルプレーヤーとの組み合わせイメージ

AH-D5200は、単にAH-D7200の弟分という立ち位置だけで語るべきものではない。ウォルナットとゼブラウッドという全く性格の異なる木材をハウジングに使っていることも含め、“松・竹・梅” で選ぶべきものではなく、音の個性、好みによって選んでも良いほど、ポテンシャルの高いモデルに仕上がっている。

加えて、AH-D5000といういまだに人気の高い名機の正統なる後継機としての役割も大きく、“リアルウッドシリーズ” のセンターといえる、フィロソフィ/サウンドコンセプトのど真ん中を担う存在だ。AH-D7200とは一味違う個性として、ストレートな音色を好むリアル志向のリスナーに堪能いただきたいヘッドホンである。

(岩井 喬)



■試聴ソース
・飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート2013『プロコフィエフ:古典交響曲』〜第一楽章(96kHz/24bit)
・長谷川友二『音展2009・ライブレコーディング』〜レディ・マドンナ(筆者自身によるDSD録音:2.8MHz・DSD)
・デイヴ・メニケッティ『メニケッティ』〜メッシン・ウィズ・ミスター・ビッグ(CDリッピング)
・水樹奈々『THE MUSEUM III ハイレゾVer.』〜「Synchrogazer」(48kHz/24bit)
・『Pure2-Ultimate Cool Japan Jazz-』〜届かない恋(2.8MHz・DSD)
・Suara「キミガタメ」11.2MHzレコーディング音源(5.6MHzに変換したもので試聴)

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