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上位モデルや過去の銘機とも比較試聴

デノンの準旗艦ヘッドホン「AH-D5200」レビュー。ゼブラウッドハウジングがもたらすリアルなサウンド

公開日 2018/05/22 11:00 岩井 喬
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落ち着き良く音場の見通し深いリアルなサウンド

実際にそのサウンドを確認してみた。試聴システムは、ラックスマンのUSB-DAC「DA-06」(¥300,000/税抜)とヘッドホンアンプ「P-700u」(¥280,000/税抜)を組み合わせた。また、旗艦モデル「AH-D7200」も同時に用意して、比較も行っている。

AH-D7200に比べ落ち着き良く、音場の見通し深いリアルな傾向を持っているようだ。高域にかけての煌びやかさも控えめであり、リヴァーブなどの残響感を曇りなくきれいに再現してくれる。音像のフォーカス力も高く、ボーカルはハリ良くシャープにセンターへ定位する。

オーケストラの再現性においても、低域のダンピング良く、伸び良いハーモニーが展開。きめ細やかな管弦楽器の旋律はふくよかさとリリースの爽やかさを両立したほぐれ良い表現である。ゼブラウッド特有の締まり良い傾向を実感でき、低域の制動性が音場の透明感に結び付いているようだ。

ハンガーは「AH-D7200」と同じアルミダイキャスト製

ジャズのホーンセクションは粒立ち細かくヌケ鮮やかに描き出し、タンギングもキレ良くトレース。シンバルの響きは心地よい輝き感を放ち、ピアノのアタックもタイトだ。高域にかけては適度な倍音のハリを得ることができ、アコギの爪弾きもカリッとした硬質なエッジを感じさせる。一方、低域方向のウッドベースは胴鳴りを引き締め、むっちりとしたほのかな倍音の艶を持つ。ドラムの密度感も自然であり、アタックのキレも耳あたり良い。

女性ボーカルの肉付き感もナチュラルな傾向で、口元の潤いも澄み切っている。音像の定位感も立体的で、ハイレゾ音源の生々しい空気感を的確に引き出してくれた。また、EDMなどのシンセベースの描写に対しても引き締め良い低域表現が効果を発揮。キレ良く弾力あるビートがタイトにリズムを刻む。シンセサイザーの高域フレーズの煌びやかさもにじみなく澄んでおり、ピアノの鮮やかなタッチも爽やかに感じられる。

ケーブルは両出し式で、コネクター形状は3.5mmモノラルミニ

プレーヤー側のプラグ形状は3.5mmステレオミニプラグ。なお、6.3mm標準プラグアダプターが付属する

こうしたAH-D5200のサウンド傾向に対し、AH-D7200はハリ良く爽快で、倍音の煌びやかさを活用したゴージャスなサウンドといえるだろう。低域は密度良く重厚で、オーケストラのローエンドもリッチに響く。エレキギターの響きも低重心で逞しさが伴う。こうした響きの豊かさゆえ、楽曲によっては中域周辺にウォームに余韻が広がることがある。これは、AH-D5000に対するAH-D7000のサウンドキャラクターの違いと同様だった。

AH-D5200はこうしたリリース成分の過剰な響きを抑え込み、クリアですっきりとしたサウンドにまとめてくれるため、よりニュートラル基調といえるサウンドバランスを持つといえるだろう。

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