最上位のデジタル技術をふんだんに投入

ESOTERIC「N-01」レビュー。音楽再生の未来を示す、国産ネットワークプレーヤー最高峰

山之内 正

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2018年04月03日
卓越したデジタル技術とその実力をふんだんに引き出すアナログ技術の両面にて、エソテリックは世界的な評価を獲得するブランドである。最高峰のGrandiosoシリーズ、その技術を存分に注ぎ込んだ現在の「01」達、そんな同社のトップラインのネットワークプレーヤーが「N-01」だ。日本ブランドの最高峰ネットワークプレーヤーの一つとして注目されること本機。エソテリックらしさ溢れるこだわりに加え、これまで「難しい」とされてきたネットワークオーディオをぐっと身近なものとする工夫も盛り込まれるなど、あらゆる面で革新的な「N-01」をレビューする。

ESOTERIC ネットワークプレーヤー「N-01」価格:¥1,400,000(税抜)

国内ハイエンド待望の最上位ネットワーク機「N-01」

ディスクがメインソースという人は未だに多数派だと思うが、音楽再生の潮流はネットワーク再生に向かう流れが加速し、ハイエンドの領域も含めて世界的には再生スタイルの多様化が止まらない。メカニズムを持たず信号処理に特化した設計のネットワークプレーヤーは、原理的にも現実にもディスクを超える音が出せるという思想の元、メーカーもリスナーも積極的に導入を進めている。しかも、ファイル再生がもたらす使い勝手の向上、そしてTIDALに代表される高音質ストリーミングとの相性の良さなど、音楽ファンにアピールする要素には事欠かない。

一方、英国で発信されたストリーム再生の提案からすでに10年が経つことを考えると、特に国内では移行のスピードが遅いように見える。ハイエンドを手がけるブランドから本格的なネットワークプレーヤーが登場しなかったこともあり、ネットワーク再生に踏み切れないリスナーが多いのだろうか。

だがようやく次の段階に向けた動きが見えてきた。エソテリックが満を持してハイエンド機を投入したのである。エソテリックと言えばGrandiosoを頂点にディスクプレーヤーの充実したラインナップを誇り、デジタルオーディオの最先端を切り開いてきたブランドである。その資産を生かしてアッパーミドルレンジの「N-05」を発売したことは記憶に新しいが、Grandiosoクラスの技術を投入したフラッグシップ機にも期待が高まっていた。その期待に応えて登場したのが「N-01」である。

フロントパネルは極めてシンプル。大型のフロントパネルと向かって右のスイッチ類で、基本的な設定等も簡単に行える

N-01の一部スペックは、Grandiosoをも上回る

N-01は一体型モデルの頂点に位置づけられ、N-05の上位モデルに相当する。フロントのデザインこそ異なるが、電源やDACなど主要回路の装備は「Grandioso K1」とほぼ同格で、オーディオ回路の構成は「K-01X」を上回り、対応ファイル形式やサンプリング周波数のレンジもエソテリック製品中で最も広い。重量級のVRDSメカを積まない分だけスペースには余裕があり、上位の装備を積めるということなのだろう。

心臓部をなすDA変換回路は、一体型ディスクプレーヤーの頂点に位置するK1と共通のプレミアムDACモジュールを搭載。旭化成の「AK4497」と新日本無線の高性能オペアンプを組み合わせ、チャンネル当たり差動8回路の贅沢な構成をデュアルモノで組んでいる。

トップパネル側にマウントされた回路の様子。肉厚のアルミニウムとスチールを採用した剛性の高い2層シャーシも高音質化のポイント。内部は2階建て構成で相互干渉を徹底的に抑え、最短経路の配線を可能とした

左右の基板を独立させるだけでなく電源トランスも専用化し、各基板の直近にトランスとレギュレーターを配置する構造も同一だ。もちろん本機も、オーディオ回路と電源回路を隔壁を挟んで上下に配置する立体構造を採用。文字通りの近接配置であり、合理的かつ最短の経路で信号伝送を実現するメリットが大きい。

出力信号の電流伝送能力を高めるHCLD回路の構成もK1と同等で、電源回路を構成するスーパーキャパシターアレイの容量も125,000μFと最大級。「Grandioso F1」との組み合わせで実現する「ES-LINK Analog」に対応していることも見逃せない。

内部パーツの注目はGrandioso K1にも搭載されたデュアルモノDACモジュール。独自の電流伝送型出力バッファー回路「ESOTERIC HCLD」には電源として合計125,000μFのEDLCスーパーキャパシターアレイを搭載、圧倒的なダイナミズムを実現した

ネットワーク再生時はDSD 5.6MHzなど上位形式のハイレゾ再生をサポートするほか、USB(Bタイプ)入力ではDSD 22.5MHz、PCM 768kHz/32bitにも対応し、後者のレンジの広さはK1をも上回る。また、上位形式へのアップコンバートも最大768kHzにまでレンジが広がった。

ファイル再生でなければ到達できない表現領域を実感

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