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<山本敦のAV進化論 第155回>

スマートスピーカー連携で注目集まる「スマート家電リモコン」、何ができてどこが便利? 実際に試した

公開日 2018/04/02 08:00 山本 敦
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まずは筆者宅のリビングに置いているブラビア、ダイソンの空気清浄機ピュアクールリンク、ダイキンのエアコンとパナソニックのシーリングライトを登録してみた。Nature Remoと連携させたい製品のリモコンを本体の受光部に近づけて、例えばリモコンの電源ボタンを押すとNature Remoが信号を記憶、アプリの画面に必要な機能のボタンを次々と覚え込ませていく。

わが家のテレビ、エアコン、ダイソンの空気清浄機にシーリングライトをアプリに登録してみた

ここまでだけでも、1台のスマホやタブレットに各製品ごとにバラバラになっているリモコンがまとめられて、導入する意義を強く実感できた。使わないリモコンは捨ててしまえとまでは言わないが、テレビラックの引き出しの中にでも収納しておけば、リビングの散らかった光景がかなりスッキリしてくる。

テレビのリモコンボタンを一つずつ登録。よく使うチャンネルと機能だけ登録してみた

シーリングライトも基本機能を登録

Google Home Miniとの連携も試してみた。スマートスピーカーとNature Remoを同一のWi-Fiルーター環境下にぶら下げ、スマホのGoogle Homeアプリを使って互いの機器を連携させる。なお、Nature RemoはGoogle HomeシリーズだけでなくAmazon Echoシリーズとの連携も既に実現している。それぞれのセットアップの方法についてはNatureのホームページに詳細な手引きが案内されているので参考になる。

Google Homeのショートカット機能を使えば音声コマンドを簡略化してNature Remoに伝えられる

Google Homeの場合、テレビ/エアコン/照明を各1台ずつ、コントロール対象の機器として設定できる。Google Homeの「ショートカット機能」を使うことで、ウェイクワードの後に続ける操作コマンドが思い切り簡略化できる。

例えばテレビの電源をオンにする操作を例に挙げると、ショートカットを設定しないままだと「OK Google、ネイチャーリモを使ってテレビをつけて」とコマンドを言い切らないと、操作を正しく受け付けてくれない。朝起きたばかりで寝ぼけている状態では、到底うまく操作できる気がしない。これがショートカットを使えば一気に「OK Google、テレビをつけて」と短くなるので、毎度音声操作を活用することに現実味もわいてくる。

もう一つ、Nature Remoの機能で注目したいポイントがある。スマホのGPS機能と連動する自動操作だ。こちらはNature Remoアプリの「ルール」からコマンドを簡単に設定できる。例えばアプリを入れたスマホを持ち、家から一定の距離まで離れたら自動的に照明やエアコンをオフにする。逆に、帰り道に家に近づいたら、照明やエアコンの電源をオンにするというルールをそれぞれ登録しておけば、照明の消し忘れが防げるし、室温がベストコンディションに整ったわが家に帰れる。スマホアプリを開かなくてもいいし、スマートスピーカーに話しかける必要もない。これこそが本物のスマートライフだ。

スマホのGPS機能と連動して、自宅から300m以上離れたら照明をオフにしてくれたり、反対に近づいたらオンにする自動操作機能機能が便利。操作の結果はApple Watchにも飛んでくる

スマート家電機器の自動操作プログラムは、ウェブサービスのIFTTT(イフト)を使って、アプレットと呼ばれるルールを作成・登録することも可能だ。Nature Remoの魅力は、他社のスマート家電コントローラーに比べ、ユーザーがかなり細かい所まで自由に使い勝手をカスタマイズできるところにありそうだ。もちろん「マニアックな設定は苦手。スマホアプリに家電機器のリモコンを“おまとめ”するところまでで良い」という方にも使いやすくできている。これで13,000円(税別)という価格なら、ガジェット好きなら取りあえず買って試してみるべきだ。

スマート家電リモコンは“操作”が不要になる?

現在は音声アシスタントを搭載したスマートスピーカーが注目されているので、スマート家電リモコンの魅力も、音声操作との連携で初めて花開くものと捉えられがちだが、実際に使ってみると、スマホアプリから操作した方が便利な場合もある。また職場への外出・帰宅などユーザーが毎日繰り返している習慣と紐付けるのであれば、先ほど触れた「ルール」を活用した方が、音声操作よりもさらにスマートでエキサイティングだ。ユーザーがやりたいことのあれこれを、大きな器で受け止めてくれる、自由度の高いスマート家電リモコンが “良い製品” と言えそうだ。

スマート家電リモコンのこれからについても、勝手に予想してみよう。今はスマホアプリやIFTTTなどのサービスを組み合わせながら、ユーザーが「ルール」を手作りしているが、そう遠くない将来には、スマート家電リモコン本体に、あるいは連携するクラウドサービスにAIが搭載され、ユーザーの行動履歴を学習しながら、様々なセンサー機器と連動するスマートリモコンが誕生するのではないか。そうなるとスマホの画面をタップしたり、音声入力による “操作” 自体も要らなくなるかもしれない。

たとえば「朝、睡眠サイクルに合わせていい感じのタイミングでアラームを鳴らして目覚めさせてくれた後、その日の気温に最適な温度でエアコンが動き始める。部屋がまだ暗ければ照明をオンに。テレビではお気に入りのニュース番組が流れはじめる…」といった生活を、コマンド入力と確認のやり取りも必要とせずに実現してくれる、ベテラン執事のようなスマート家電リモコンが発売されたら、筆者もぜひ導入してみたいと思う。

(山本 敦)

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