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海外モデルをテスト

アップル「HomePod」レビュー。最初はがっかりな音質、使っているうちに大きく変化

2018/03/02 編集部:風間雄介
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2月にアメリカ、イギリス、ヨーロッパで発売されたアップル初のスマートスピーカー「HomePod」。海外の評価は、毀誉褒貶が相半ばしている。

音質について最大級の賛辞を送り、完成度の高さを評価する声もあれば(関連ニュース)、Siriの機能が貧弱であることを理由に、スマートスピーカーとしては失格と烙印を押すレビューもある(関連ニュース)。総じて、音はかなり良いが、スマートスピーカー機能はまだまだ、というレビューが多いようだ。

Apple HomePod(349ドル)。スペースグレイとホワイトの2色展開

Siriについては、現段階でHomePodが米英豪でしか販売されていないこともあり、まだ英語しか通じない。私の英語は片言レベルなので、Siriの機能を正確に評価することはできない。だから今回は、Siriの認識精度や機能についてはほとんど触れない。

とはいえ、スマートスピーカーの用途として最も多いのは音楽再生である。もちろんスマート家電との連携やショッピングなど、各種機能が洗練されているのに越したことはないが、それらは極論すれば、別途Amazon Echo Dotなどを買えば事足りる。

アップルは音質の良いスピーカーを作ろうとしたのであり、音が良ければよいのでは、というのが個人的な感想だ。

では、その肝心の音質はどうなのか。それを知るために今回、現地で購入した海外モデルをテストした。

HomePodのデザイン、設置性

HomePodの音質を紹介する前に、まずは外観から見ていこう。外箱は厚い紙製だが、それをもう一枚ラップでくるんであるという、なかなか豪華な作りだ。箱の上部を引き上げるとHomePodが出現する。このあたりの「パッケージ芸」は、最近はどのメーカーも追随しているが、先駆者であるアップルは、やはりワクワク感を演出するのが上手いと思わせる。

そうして取り出したHomePodの本体は、ボテッとした円筒形である。ツルツルしているのは上部だけで、本体のほぼすべてがメッシュ素材で囲まれている。丸みのある形状も相まって、スタイリッシュさよりも親しみやすさを重視したデザインとなっている。ダイニングテーブルやキャビネットなど、様々なファニチャーにすんなり溶け込みそうだ。

HomePod(スペースグレイ)

サイズは幅が142mmm、高さが172mm。Google HomeやAmazon Echoなどと比べるとかなり大きいが、丸みを帯びているので、それほど大きさを感じさせない。質量は2.5kgで、持つとずしりと重い。

電源ケーブルは本体底部から数センチ上のところから出ている。円形のケーブルで、折り曲げなどに強そうな厚めの被覆に覆われている。今回は試していないが、海外サイトなどの情報によると、この電源ケーブルは強く引っ張ると取り外せるとのこと。ケーブルが断線しても取り替えられそうだ。

電源ケーブルは下から数センチのところから出ている

美観の面から言うと、底面から少し上にケーブルが “生えている” ため、ケーブルが少し浮いてしまうのが惜しい。このあたりは、プラグ構造を工夫して筐体の最低部からケーブルを引き出せる「Google Home」の作り込みの妙が光る。とにもかくにも、ハードウェア的なセットアップは、本体を置き、電源プラグを挿すだけで完了だ。

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