使い勝手などの実力をチェック

<レビュー>4K対応、しかも防水/防塵/耐衝撃/耐低温のビデオカメラ。JVC“Everio R”「GZ-RY980」

会田 肇
2018年02月28日
身近な映像を未曾有の高画質で記録する4Kビデオカメラに、“タフネス”性能を搭載したモデルがJVCから登場した。その名も「GZ-RY980」。JVCがこれまでタフネス性能をウリとしてきた「Everio R」シリーズのラインナップとして新たに4K対応機が加えられたのだ。シリーズの特徴である高い「防水」「防塵」「耐衝撃」「耐低温」性能を備えながら、パワフルな「バッテリー」はそのまま。レンズや映像処理エンジンなど主要部分を4K仕様に刷新しての登場だけに、期待値は思いきり高まる。

GZ-RY980

さっそく、その内容をチェックしてみよう。映像記録は言うまでもなく4K(3,840×2,160)撮影が可能で、対応フレームレートは1秒間に30コマを記録する30pと、24コマを記録する24pの2モードを用意。それを実現したのが、4Kの膨大な情報を高速に処理しながらも低消費電力動作を実現した「FALCONBRID 4K」の搭載だ。単に撮影解像度を高めただけでなく、映像処理エンジンの能力を高めることで、より美しい4K映像の記録を可能にしたのだ。

手に持ったところ

レンズも4K撮影にふさわしいスペックとなった。新開発のレンズ「JVC 4K GTレンズ」は解像感の高い描写と小型化を両立させ、ズーム倍率も広角29.9mmから望遠299mmまでをカバーする光学10倍を実現(いずれも35mm換算)。これまでのEverio Rシリーズは広角端の狭さに弱みがあったが、このレンズは十分な広角端を確保している。これなら、広い背景を生かして風景を撮りたい時や、遠くにいる子どもをアップで写すときなどでも、十分に対応できる。

新開発「JVC 4K GTレンズ」を搭載

また本機では、撮影した4K動画から静止画を切り出せる機能を搭載したのも大きなポイントだ。カメラに慣れた人でもシャッターチャンスを撮り逃すことは多い。この機能を活かせば、とりあえず動画で撮っておき、後から決定的なワンシーンを切り出せるのだ。

見逃せないのは、その静止画のクオリティ。高画素の4Kだけに、切り出せる静止画の画素数は8メガピクセルにもなる。フルHDの時は物足りなかった静止画スペックも、デジカメ並みのハイスペックで静止画が撮れるというわけだ。

撮影した映像のサンプル


ビデオカメラにとって、使い勝手も重要な要素だ。本機で採用したモニターには、広視野角タイプの3.0型(46万ドット)液晶パネルを採用。偏光板で反射を低減させることで、明るい屋外であっても見やすい、モニターらしい性能を確保したのだ。

ハンドリングは本体がサイズアップしたにも関わらず上々だ。重量バランスに優れているから長時間撮影でも負担が小さいのだ。これはグリップ部分にバッテリーが内蔵されていることも一つの要因。4K化するにあたってバッテリーの大容量化も図られており、こうした対策も功を奏したと言っていいだろう。

Everio Rシリーズ共通の特長として、ズームレバーがシーソー式となっているのも好感が持てる。レバーを前方/後方に倒すことでテレ・ワイド側操作を直感的に行えるのだ。特にこのタイプはグローブをしていても使うことができる。タフネス仕様をウリとしている本機ならではの配慮と言えるだろう。

一方で気になったのは、モニターに表示されるアイコンの小ささだ。これもまたEverio Rシリーズの共通の機能ではあるが、これが高年齢層には少々つらい。このアイコンは録画スタートや静止画撮影にも対応しているのだが、タッチするにもやはり小さい。画面の見やすさはかなり改善されているだけに惜しい部分だ。

偏光板で反射を低減させてモニターの見やすさを向上。一方、アイコンの小ささは少し気になる

次はタフネス仕様について。「防水性能」は水深5mで1時間利用できる「JIS防水保護等級IPX8相当/ IPX6相当」に対応している。これは従来のEverio Rシリーズと違いはないが、実は水深5mでの使用時間が、これまでの30分から1時間に延長されている。水辺で遊んでいて万一水中に落としてしまっても、本機なら慌てる必要はないのだ。

「防塵性能」は海岸で使っている時に強い味方となる。海岸では気付かないうちに砂がすき間に入り込んでしまいがちだからだ。「耐低温性能」は-10°Cでも耐えられ、「耐衝撃性能」は1.5mの高さから落としても大丈夫だという。さすがにこの辺りは試すことができなかったが、この実力はホントに大したものだと思う。

その他にもGZ-RY980には魅力的な撮影機能がたくさん詰まっている。一つは「フルHDスローモーション撮影」機能で、フルHDの高画質のままスローモーション動画が撮影できるのだ。

もう一つが「4Kタイムラプス撮影」機能で、長い時間かけてゆっくり移り変わるシーンを4K画質で短時間に再生できるというもの。たとえば花がつぼみから開いていく様子や、雲の動きを撮る時などにドラマチックに再現が可能。使いこなすほどに楽しさが増す機能と言っていいだろう。

一方で、本機にはメモリーが内蔵されていない。SDカードスロットが2つあり、どちらにも入れておけばリレー記録にも対応する。またWi-Fi機能も非搭載だが、オプションのアダプターを追加すれば、スマホでの遠隔操作やライブストリーミングも可能とはなる。

SDカードスロットを2基装備

これまで4Kビデオカメラは数多くテストしてきたが、本機の良さは周囲のコンディションをまったく気にせず撮影ができること。子供と一緒に行動したり友人達と遊んでいると、カメラへの気遣いもついおろそかになる。そんな時に限って「!!!!」といった事態も陥りかねない。その気遣いなしで済むのは使ってみて初めて気付くものだ。

画質は4K映像にふさわしい高精細なものだし、表現の幅が広がる多彩な機能の搭載や使い勝手の良さも高く評価できる。高画質な4K撮影をより手軽にしてくれるビデオカメラとして注目の一台と言っていいだろう。

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