細部まで美しく、モダンなデザイン

B&O PLAY初の完全ワイヤレスイヤホン「Beoplay E8」レビュー。操作感からサウンドまで全てが高品位

土方久明
2017年11月22日

昨今、左右が独立した“完全ワイヤレスイヤホン”の人気が高まっている。昨年登場したiPhone 7がイヤホン接続用の3.5mmステレオミニ端子が廃したことが大きなトリガーになったと思われ、特にコンシューマー市場における流れは一気に無線化に進んでいる。そんな中、Bang & Olufsenのカジュアルブランド “B&O PLAY” から登場したのが「Beoplay E8」だ。

本モデルはB&O PLAY初となる完全ワイヤレスイヤホン(発売ニュース)。本体にリチウムイオンバッテリーを備え、Bluetoothを利用してスマホやパソコンと接続して音楽が楽しめる。左右のイヤホンを結ぶ通信にNFMI(Near-Field Magnetic Induction)技術を採用したのが大きな特徴で、完全ワイヤレスイヤホン登場時に指摘された、音の途切れを最小限に抑える設計だ。

B&O PLAY初となる完全ワイヤレスイヤホン

ブラックの他、Charcoal Sand(チャコールサンド) も用意。こちら完実電気からは12月中旬発売予定

編集部からBeoplay E8を受け取り、さっそく手に取ってみた。そのデザインは、すでに多くのB&O PLAY製品を手がけているヤコブ・ワグナーの手によるもので、「何て美しいんだ」と思わず口に出してしまうほどモダン。本体は汗や水に強いラバーとポリマー素材により構成されている。

B&O PLAY製品を数多く手がけるヤコブ・ワグナーがE8もデザイン

汗や水に強いラバーとポリマー素材により構成

ワイヤレス化されスタイリッシュになったイヤホンは、今後さらにデザイン面にも注目が集まると予想される。E8のデザインは、個人的には彼の作品の中でNo.1と言って良いほどセンスが良いと思う。

イヤホンケースはモバイルバッテリーとしての機能も備えており、付属のUSBケーブルを使ってパソコンなどと接続して約2時間でフル充電しておけば、イヤホン本体を最大2回分充電できる。

イヤホンの再生時間は最大約4時間。イヤホン充電の方法がイラストで描かれた説明書がケース内のスポンジクッション部分に貼り付けられているので、開封後はスムーズに充電までたどり着けるだろう。またケースには小さいLEDランプが備わっていて、充電状態が表示される。

ケースは本革を使用。伸縮性のあるバンドが付いている

イヤホンを置く場所にマグネットを搭載し、本体をしっかりとキャッチ。また小さいLEDランプが中央に備わっており、充電状態が確認出来る

さらにケース内の本体を置く部分にはマグネットが装着されており、イヤホン本体をしっかりとキャッチする。このあたりは他社の製品にも見受けられる部分だが、細部のデザインの品質が高く、やはりこの辺りはB&Oらしさを強く感じさせてくれる。

それでは、実際の音質や装着性はどうなのか? 筆者の持つAndroidスマートフォンとiPhone 6sを使用してチェックしてみた。

使用時には、まず右ch側面を軽くタッチして本体の電源を入れる。続いて左右のイヤホンを20cm以内に置き、それぞれの側面を5秒間タッチすることでペアリングモードとなる。右chのイヤホン本体には小型のLEDが装着されており、電源投入やペアリングモードのステータスをわかりやすく表示。実際、スマホとの接続も含めてスムーズに行えた。なお、Bluetoothのバージョンは4.2、対応音声コーデックはSBC/AACにも対応する。

同社の無料アプリ「Beoplay」を使って、E8を選択。トーン調整やTransparencyモードの調整が可能となる

Beoplay E8には4サイズのシリコンイヤーチップに加え、MサイズのComply Sportイヤーピースも付属している。今回はComplyを装着し、まずはAndroid端末とペアリングして試聴を開始した。最初に再生したのは、男性ジャズボーカルのグレゴリー・ポーター「ラブ」。伝説の男性ジャズボーカリスト、ナット・キング・コールの名曲をカバーした音源で、筆者のリファレンスである。

右イヤホンには電源ONやペアリングモードの状態がわかるよう、LEDを搭載して光で表現

イヤーチップはシリコンタイプ(4サイズ)とMサイズのComplyを同梱

一聴して、自然なトーンバランスと全帯域の反応の良さが印象的だ。イントロに流れるピアノには透明感があり、ベースなどの低域も適度な弾力感を備えている。迫力志向というより、本格的なハイファイ傾向にチューニングされており、グルーブ感も併せ持つ。

WARM/EXCITED/BRIGHT/RELAXEDの4方向へ自分好みにトーン調整。プリセット(Comuute/Clear/Workout/Podcast)で手軽に選択することもできる

B&Oのエンジニアがチューニングしたという、独自設計のφ5.7mmダイナミックドライバーの性能は予想以上に高そうだ。また、人間の耳の形やカーブの研究を重ねたハウジング形状のおかげか、装着感もとても良い。

続いてiPhone 6sと接続して、クラシックのヴァイオリン協奏曲を再生した。Beoplay E8のバランス良く透明感のある再生音は、楽器の質感表現が要求されるクラシックでも活きてくる。ソリストのヴァイオリンは距離感が自然で明瞭だ。さらにオーケストラパートの重厚感を上手に表現し、楽曲の抑揚表現にも追従してくる。Beoplay E8で聴くクラシックには高い音楽性が感じられ、クセもないので長時間聴いていられる。

バランス良く透明感のあるハイファイなサウンド

また、本体側面をタッチすれば一時停止や曲送り、ボリューム調整などの操作ができるので、スマホをカバンの中に入れたままで快適に使える。また音切れを低減するNFMIの効果を試すべく、東京駅など人の多い場所で使用してみたのだが、滅多に音切れは起きなかったことを報告しておきたい。

左ハウジングを1回タップすると、外音を取り込める「Transparencyモード」を使用できる

Transparencyモード使用中のアプリ画面。右側のセッティング画像が光るような動きで「使用中」をお知らせ


AMBIENT/SOCIAL/COMMUTINGの3段階で調整でき、外での使用時にとても便利だ



今回使用して強く感じたのは、B&Oのエンジニアが完全ワイヤレスイヤホンに求められる要素を徹底的に研究し、このBeoplay E8を完成させたのだということ。ワイヤレスイヤホンを使う上で必要となる、充電からペアリングまでのスムーズさ、音楽の良さをより表現してくれる自然なトーンバランス、そして快適な装着感や本体の操作感に至るまで、随所に品質の高さを感じたのである。デザインも美しく、購入後の満足度はとても高いはず。毎日使いたくなるような良い相棒になってくれるだろう。