コンテンポラリーな重低音ヘッドホン

良質な重低音はそのままにワイヤレス化。オーディオテクニカ新SOLID BASS「ATH-WS660BT」レビュー

高橋 敦

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2017年11月11日
スマートフォンからイヤホン端子が廃止される流れのなかで、注目されているのがBluetooth接続のイヤホンやヘッドホンだ。オーディオテクニカも、新製品や既存シリーズのBluetooth対応を進めている。

そして今回登場したのが“SOLID BASS”シリーズヘッドホンのBluetooth対応モデル「ATH-WS660BT」だ。

「ATH-WS660BT」

“良質な重低音ヘッドホン”がBluetooth対応に

Bluetoothイヤホン/ヘッドホンのトレンドのひとつとして、低価格化が挙げられる。ATH-WS660BTの価格は15,000円と、適度なエントリー価格帯のBluetoothヘッドホンとして現実的かつ魅力だ。決して手が出ないほど高くもない。オーディオテクニカという信頼のブランドのこのクラスの製品であれば、そのクオリティに何の不安もなく選ぶことができる。もちろん、以降で述べていくが、実際そのクオリティは確かなものだ。

カラーは3色をラインナップ。左からブラック・ゴールド、ブラックレッド、ガンメタリックブルー

加えて完全ワイヤレスイヤホンもトレンドだが、イヤホンではなくヘッドホンということも実は、Bluetooth機器としては強みにもなる。ヘッドホンにはそもそも左右をつなぐケーブルはないので、完全ワイヤレスイヤホンのようにそこを無線伝送にする必要がない。またイヤホンより大柄な分、容量の大きなバッテリーを搭載できる。それらのことからバッテリー駆動時間を長く確保できるのだ。こちらのモデルも最大40時間を確保。完全ワイヤレスイヤホンの10倍!

折りたためるのでコンパクトにして持ち運べる

ではここからは、ATH-WS660BTのポイントを見ていこう。といっても「SOLID BASSヘッドホンのBluetoothモデル」というひと言だけでその本質は表せてしまう。「充実の低音再生能力を重視しつつ全体のバランスも備えた、良質な重低音ヘッドホン。そのBluetooth対応版」ということだ。とはいえそれだけで済ませてしまうわけにもいかないので各部の説明を。

音を生み出す心臓部は “ディープ・モーション” ドライバー。大口径で振動板面積を稼ぎ、しかもそれを深く大きな振幅で駆動させることで、多くの空気を無理なく動かし、豊かな低域を無理なく生み出す。

音質の要となるディープ・モーションドライバーの構造イメージ

理屈としては単純だが、大口径ドライバーを大きな振幅で動かしつつ、振動の正確性も確保して中高域の再現性も高めるとなると容易ではない。そこまで含めて実現していることがこのシリーズこのドライバーのポイントだ。

イヤーパッドは、フィッティング・レイヤーとアコースティック・レイヤーの二層構造。ソフト素材の前者は装着感の向上、ややハードな素材の後者はドライバーと耳の間に安定した音響空間を確保することが役割。

実際装着感は良好だ。大口径の割には全体にコンパクトで軽量なこともそこに貢献している。頭を挟みつける側圧も、十分な固定力を確保しつつ強すぎない。折り畳み機構も備えており、大きめのバッグを持ち歩いてる方なら、使っていないときもさほど無理なくしまっておけるだろう。

2層のクッション材を用いたレイヤード構造のイヤパッドは良好な装着感を実現

スイッチや端子は左側ハウジングにまとめてある。左手を耳に当てると自然に、特に頻繁に使うであろう音量やスキップ操作に使うリモコンレバースイッチに親指が触れる、使いやすそうな配置だ。ケーブル端子も用意されていて、バッテリーが切れてもケーブルを挿せば普通のワイヤードヘッドホンとして利用可能なセーフティも用意されている。もっとも前述のように本機のバッテリー駆動時間は40時間。1日4時間利用でも10日いけるので、バッテリー切れは滅多にないだろう。ちなみに連続待ち受けは最大約1,000時間だ。

スイッチ類は左ハウジングに集中。Bluetooth接続のON/OFFのほか音楽再生操作、3.5mmケーブルや充電用USBケーブルとの接続端子も備える

なお上の価格帯の「ATH-WS990BT」との違いは、ATH-WS990BTは「ノイズキャンセリング搭載&ワイヤード時にはハイレゾ対応」というところ。もちろん音も違うが、このシリーズには一貫性があるので、音の傾向が極端に異なるということはない。

重低音だけではないサウンド

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