HOME > レビュー > 【第198回】行ってきました「秋のヘッドフォン祭2017」! 恒例の “超個人的ベスト5” 発表!

[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第198回】行ってきました「秋のヘッドフォン祭2017」! 恒例の “超個人的ベスト5” 発表!

公開日 2017/11/10 11:00 高橋 敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

【第3位】MEZEとCTMがプロトタイプを隠し持ってきていたよ
プロダクトデザイナーのアントニオ・メゼ氏によるブランドMEZE AUDIO。第一弾ヘッドホン「99 CLASSICS」、そこから派生した「99 NEO」、イヤホンの「12 CLASSICS」と「11 NEO」というのが現在のラインナップだが……

ブースを訪れると裏から持ってきて見せてくれたのがこちら。開発中というイヤホンのプロトタイプとのことだ。外装もサウンドもまだ未完成とのことで、写真の二つの個体もカラバリ検討ではなく中身も違い、実際にサウンドも違っていた。

現在のラインナップの主役はヘッドホン2モデルか

外観も未完成とのことだが、美しいカーブは同社ヘッドホンに通じるものがある

しかしこの時点で装着感は良好、サウンドもそれぞれどちらも魅力的なものになっており、ここから仕上げていくのであれば期待しておいて間違いないだろう。ちなみにフェンダーストラトキャスターを愛しているというメゼ氏であるが、愛用ストラトのカラーはブルーとのことだ。ソニックだろうかダフネだろうか。

同じくその隣のCTMにも「実は…」があった。同社社長のCesar氏が取り出してきてくれたこちらも開発中のモデルで、外装も内部も仕上げはこれからとのこと。しかしモデル名は「da Vinci」になる予定とのことだ。口頭だったのでスペルは違うかもだが。

フェイスプレート側はごついが耳に当たる側は滑らかで装着感にも問題なし

超ゴツイ&「いい銅使ってそうだなあ」感のあるケーブルが装着されていた

現時点でのサウンドは、比較的ウォーム傾向の「VS」シリーズとは異なる、スッキリ爽快な印象だった。イヤホン本体の現時点でのルックスのインパクトも強いが、しかしケーブルのインパクトはさらに強い。製品版ではどうなるのだろうか。

なおステムからノズルを覗いてみると、「Vintage」シリーズのポイントだったソフトシリコンノズルはもしかして使っていない?という気もしたので、技術面についても質問してみたところ、「新しいテクノロジー、『WISE』を搭載している。W・I・S・E。ワイズだ」と、若干厨二感のある答えが返ってきた。新技術にこういった名前を付けがちなのは世界中の開発者共通のアレなのだろうか。

【第2位】ゼンハイザー、4.4mmバランス本格参入

ゼンハイザーブースの主役は「IE 80 S」「IE 800 S」そして「HD 660 S」の「SSS」だが、800と660のSについては本体に加えて「4.4mmバランス駆動用ケーブル標準付属」というのも大きなトピックだろう。

IE 80 S。こちらには4.4mmは付属しない

IE 800 S。「L型」プラグの4.4mmケーブルが標準付属


HD 660 Sにも……

4.4mmケーブル標準付属

4.4mm端子については、「あれはソニーの規格でしょ」という印象をお持ちの方もあるだろう。実際問題、影響力のある大きなメーカーでの採用例としてはソニーの存在感が突出していた。

だからこそ、世界的なブランド力を持つゼンハイザーが、ヘッドホンアンプに続いてイヤホンやヘッドホンでも4.4mm標準対応の製品を投入してきたことは、この規格の今後に向けての大きな力となるはずだ。なお、IE 800 Sには2.5mmケーブルも付属するので、2.5mm端子搭載DAPユーザーでも問題なし。

ところで個人的には、IE 80 Sの「超普通のダイナミック型ハイエンド」な音作りは好みだったりする。「普通」とは、なかなか得難い個性なのだ。装着感も良好だし価格も無理はないし、チェックしてみてほしい。HD 660 Sもより現代的な音に進化している。これは今後の開放型ハイエンドヘッドフォンのリファレンスのひとつになり得るのではないだろうか。

次ページ第1位はコンパクトでハイクオリティーなDACでアンプなアレ!

前へ 1 2 3 4 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE