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「iPhone X」自腹購入レビュー。未来を実感したところ、そうではないところ

公開日 2017/11/03 21:10 編集部:風間雄介
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たとえばYouTubeで動画を再生したり、カメラアプリを立ち上げて静止画を撮ろうとしただけでも温度が上昇する。熱くて持てないほどではないが、裸で持っていると手のひらがじわりと汗ばむ程度の温度だ。

比較してみようと、iPhone 7とiPhone Xを並べて、Netflixで同じ動画を5分再生してみた。するとiPhone 7はほとんど背面の温度が変わらなかったが、iPhone Xははっきり「温かい」とわかる程度の違いがあった。次にHEVCの4K/30p動画を数分撮影してみたが、iPhone Xの方が明らかに熱くなった。たとえカバーを付けても、不快さを感じる可能性がありそうなレベルだ。せっかく高価な最新機種に買い換えたのに、実使用時に不快な要素が加わったのは残念だ。

アップルロゴのあたりからレンズの下あたりにかけて、かなり熱くなる

だが何度か電源を入れ直したりしてみると、動画を再生してもそれほど温度が上がらない場合もあった。何かがきっかけで温度が上がると、その後低負荷のアプリやタスクに切り替えても、そのまま温度が上がりっぱなしになる癖があるようだ。

また驚いたのは、iPhone Xはいったん熱くなると、その後のロック時にもほんのりと温かさが続く。10分以上経っているのに熱が引かないこともあった。

ここまで発熱があると、購入した製品がたまたま不良品だった可能性も考えられる。だが、現在はこれしか実機がないので、これで記事を書くほかない。後日追加情報があったら追記したい。※その後、赤外線温度計を購入して、条件を揃えて比較検証を行った。記事はこちらから

ディスプレイの画質は非常に良好

気を取り直して、ここからはディスプレイについて見ていこう。

先述したとおりディスプレイは有機ELだ。iPhone Xはアップルとして初の、有機ELを搭載したスマートフォンということになる。画面解像度は2,436×1,125ピクセル、画素密度は458ppi。コントラスト比は100万対1となっている。

iPhone 7と比べて、一見して感じるのは、画面の色温度がかなり異なることだ。これは、環境光に応じて色を自動的に調整する機能「True Tone」がオンになっているためだ。今回は主に蛍光灯下で試用したが、その場合はTrue Toneによる調整で、かなり色温度が低めに表示された。

画素密度の高さもあり、有機ELのピクセルを目視で確認するのはかなり難しい。それほどに解像感は高い。

またiPhone XはiPhone8/iPhone 8 Plusと同様、HDRに対応しており、HDR10とドルビービジョンに両対応している。これもAVファン的には非常に大きなポイントだ。

iTunes StoreでレンタルしたHDR収録の映画「ローガン」を見ると、そのきらびやかな映像に圧倒される。光るべきピークがすっと伸び、自発光デバイスだから当たり前だが、暗部はぐっと沈み込む。結果として、人物の顔などがより立体的に表現され、映像の持つドラマティックさが際立つ。暗部のノイズもほとんどなく、iPhone Xの画作りは非常にハイレベルだ。

山本敦氏がiPhone 8を検証した際にも、同席した筆者はiPhone 7との差の大きさに驚いたが、今回のiPhone Xはそれを遙かに上回る高画質だ。はっきり言ってこのクオリティであれば、画面こそ小さいとはいえ、テレビで見るより高い満足度が得られる場合もあるだろう。

暗部がぐっと沈み込み、光るべきところはすっとピークが伸びる

だが、これがほかの有機EL搭載スマホなどと比べてどういうレベルにあるかというと、今回は残念ながら比較検証ができていない。今後こういった比較テストや、測定器を使った検証など、多角的にこのディスプレイの性能を浮き彫りにしていきたいと考えている。

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