11ch独立パワーアンプによる再生能力も検証

【レビュー】デノンの準旗艦AVアンプ「AVR-X6400H」。“Auro-3D”サウンドを徹底チェック

鴻池賢三

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2017年10月23日
デノンのAVアンプ「AVR-X6400H」は、日本国内向け製品として業界で初めて「Auro-3D」デコード再生に対応した新モデル。ミドルクラスの筐体に11chのパワーアンプを詰め込んだ豪級マシンで、デノンAVアンプにおけるラインナップの中では、フラッグシップモデル「AVR-X7200WA」(関連ニュース)に次ぐ「プレミアム」ラインにあたる。最新機能の採り込みを考慮すれば、実質、最上位モデルと言って良いだろう。

「AVR-X6400H」(¥300,000/税抜)

前モデル「AVR-X6300H」(関連ニュース)との違いは、「Auro-3D」対応に加え、最新の各種HDMI規格に準拠するほか、音質に関わる細部のブラッシュアップにも注目したい。

一方で、各chごとに独立基板とした11chディスクリート・パワーアンプを引き続き搭載したことも大きなポイントだ。合計11枚の基板を使用して、11ch分のアンプをレイアウトしている。これにより、チャンネル間の振動による影響およびクロストークを排除。さらに、チャンネルセパレーションを高め、純度の高いリアルな音場再現を実現している。

ミドルクラスの筐体に、合計11枚の基板を使用して11ch分のアンプをレイアウトしている

ここからは、前モデルからの進化点にフォーカスして紹介しよう。目玉機能と言える「Auro-3D」は、従来の水平方向のみならず、上下方向の音場再現をも可能にする3D立体サラウンドフォーマットで、トレンドのキーワードを用いるならば「イマーシブサラウンド」の一種である。

日本では「イマーシブサラウンド」として、Dolby AtmosやDTS:Xが先行してきた。これらが収録時に音の位置情報を持たせ、AVアンプなどでの再生時にスピーカー構成に応じてレンダリングを行う「オブジェクトベース」であるのに対し、「Auro-3D」は「チャンネルベース」であるという大きな違いがある。これは欧米を中心に、音質とナチュラルな音場表現で評価が高く、日本上陸を待ち望む声も多かった期待の新方式だ。

HDMIは近年の流行である4K/HDRをフォロー。HDRはHDR10に加え、新たにDolby VisionとHLGのパススルー再生に対応し、先進的なAVファンのニーズを満たしている。

HDMI関連では、eARC(Enhanced ARC)への対応(出荷後にファームウェアアップデートで対応)も目を引く。ARCは、テレビの音声を手軽にオーディオ機器へ伝送する手段として重宝してきたが、扱える音声フォーマットが限定的だった。eARCでは新たに、Dolby Atmosを含むDolby True HDおよびDTS:Xを含むDTS-HD Master Audioも伝送可能である。テレビ自体がストリーミング端末としての機能を持ち、今後もこうした流れが拡大することを考えると、先進的かつ魅力的な機能と言える。

「AVR-X6400H」の背面端子部

オーディオ関係では、デノン独自の「AL32 Processing」技術を全てのマルチチャンネルフォーマットおよび全チャンネルに展開。これには、サラウンド再生においても理想的なアナログ波形を再現することで、3Dサラウンドのパフォーマンスを極限まで引き出す狙いがある。ほか、11chの高品位なパワーアンプを活かすべく、フロントL/R、センター、サラウンドL/Rの5chともバイアンプ接続が可能な「5.1chフルバイアンプ」機能や、上位モデル譲りの高品位なスピーカーターミナルを搭載するなど、マニアも納得の充実内容である。

本機のDAC基板。DACはAKMの32bit/8chDAC「AK4458VN」を2基搭載

こちらはデジタル系基板。DSPは、アナログデバイセズ製の32bitフローティングポイントDSP「SHARCプロセッサー」を4基搭載

■上下方向のリアルな音場再現を実現する「Auro-3D」

今回は、デノンの視聴室にて試聴を行った。まずは、本機で最も注目すべき「Auro-3D」を試聴。手始めにAuro-3Dを手がけるベルギー Auro Technologies N.V.社が制作したデモディスクを再生し、「Auro-3D」のコンセプトを確認した。そもそも「Auro-3D」のコンセプトとは、音場を3つのレイヤーに整理して収録と再生を行う点である。

戦闘機の飛行軌跡が目に見える程に鮮烈なサウンド

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