【特別企画】ヤマハのHiFiオーディオを聴く

10万円強で揃うヤマハのフルサイズ「ベーシックコンポセット」。70-80年代の名盤で実力チェック!

岩井 喬

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2017年10月04日
■充実したラインナップが可能にした圧倒的コストパフォーマンス

今回取りあげるベーシックコンポセットの各モデルの特徴について紹介していこう。まずはCDプレーヤー「CD-S300」(ヤマハの製品紹介ページ)。2009年に発売されたロングセラー機で、iPodとのデジタル接続(48kHz/16bitまで)やUSBメモリーからのWMA/MP3ファイル再生が可能なUSB端子も設けた薄型モデルだ。電源やデジタル/アナログ部の各基板をブロック化して相互干渉を最小限とした設計で、オーディオ回路の左右対称化や経路最短化にも注力している。

「CD-S300」¥41,000(税抜)

背面端子部

昨今のプレーヤー事情について、小林氏が次のように語っていたのが印象的だった。「ここ最近の流れとしてネットワークプレーヤー機能を備えた製品が増え、ヤマハも対応モデルを投入しています。しかし、ネットワーク接続を考えておられない方や難しさを感じる方も多く、CD-S300のようなシンプルなCD専用機は未だに根強い人気があります」。

続いてシステムの中核となるプリメインアンプ「A-S301」(ヤマハの製品紹介ページ)は、2014年に発売されたエントリー機だが、上級機譲りの“ToP-ART”思想を継承。左右対称コンストラクションと信号経路のストレート化にこだわった回路レイアウトに加え、不要振動を吸収・遮断する独自の特殊樹脂フレーム“アートベース”を用いた制振・高剛性シャーシを組み合わせた構造である。

「A-S301」¥40,000(税抜)

背面端子部

192kHz/24bit対応の同軸・光デジタル入力も装備。DACチップは同社の現行AVアンプ「Vシリーズ」でも用いられているバー・ブラウン製「PCM5101A」を採用。加えてMM対応フォノイコライザーも内蔵しており、デジタルからアナログソースまで存分に楽しむことができる。

機能面では、トーン調整やラウドネス、バランス調整のコントロール回路と、後段バッファーアンプをバイパスさせる“ピュアダイレクトスイッチ”や、組み合わせるスピーカーや再生環境によって最適かつ高精度な音質補正を行うヤマハ伝統のラウドネス効果を連続可変できる“コンティニアス・ラウドネス”も搭載。非常に使い勝手の良いつくりと言えるだろう。

A-S301の筐体内部。エントリー機とは思えない充実の内容が見て取れる

このA-S301は、パワーアンプ部もより上級の「A-S501」と共通だ。「違いは出力値、電源トランスやブロックケミコンといったパーツくらい」とのことで、コストパフォーマンスは非常に高いと言える。ダンピングファクターも210という値であり、このクラスではかなり高いスペックを実現している。「DACチップはCD-S300よりも世代が新しく、我々としても使い慣れているものです。CD-S300はデジタル出力を備えていますから、曲によってアナログ接続とデジタル接続を切り替えて音のちがいを楽しむのも一興です」と小林氏は説明してくれた。

入門機とは思えない作り込みがなされたスピーカーシステム「NS-B330」

最後は出口となるスピーカーシステムで、シンプルな2ウェイ・ブックシェルフ型の「NS-B330」だ。ミッド/ウーファーには「NS-1 classics」直系のPMDコーンを用いた13cmユニットを搭載。トゥイーターには、水平135度/垂直120度というあえてやや狭く設定された指向特性により、高域の壁面反射など部屋からの影響を受けにくくするウェーブガイドホーンを備え、黒色皮膜処理を行った3cmブラック・アノダイズドアルミ・トゥイーターを搭載する。

「NS-B330」¥43,000/ペア(税抜)

キャビネットは側面中央部が膨らんだタンブルフォームデザインを採用し、強度面と内部定在波の解消につなげると共に吸音材も減らしている。さらにネットワークは抵抗を使わないシンプルな構成だ。これもユニットそのものからバランスが合うよう設計されていること、さらにウェーブガイドホーンによるユニット間の音の繋がりを考慮したつくりによって実現したといえるだろう。

80年代の名盤がフルサイズならではのHiFiサウンドで蘇る

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