手頃な価格でモニターにもリスニングにも

AKGの新モニターヘッドホン入門機「K92/K72/K52」。各機のキャラの違いをレビュー!

岩井 喬

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2017年05月26日
AKGから、「K701」系のスタイリッシュな意匠を継承したリーズナブルなモニターヘッドホン「K92」「K72」「K52」が発売となった。従来から展開している“プロフェッショナルシリーズ”におけるモニター系の中核であるスタジオシリーズや、よりクオリティの高さを追求したリファレンスシリーズの裾野をカバーする、モニターラインナップの盤石な体制ができあがったかたちだ。

左から「K72」「K52」「K92」


プロの現場を知るAKG。モニターヘッドホンづくりにも長い歴史

70年以上の歴史を持つAKGは「C12」「C414」「D112」といったプロ用マイクの名機をいくつも生み出してきており、プロフェッショナルの録音現場を良く知るブランドのひとつでもある。だからこそ、プロが求めるサウンド、録音の現場で必要となるモニターの勘所を掴んだヘッドホン作りが可能となる。録音エンジニアたちもまたそうした知見の上で作り上げられたヘッドホンを信頼し、長年に渡り支持されてきたのだ。

AKGのモニターヘッドホンの歴史は長く、1960年代には世界初のオープンエアー型「K50」が登場し、クラシックの録音でも活用されていたという。より積極的にスタジオでのモニターとして使われ始めたのは1980年代に登場したセミオープン型「K240 Monitor」だろう。2000年代に入り、「K240 Studio」「K240 MK II」とモデルチェンジを重ね、今なおAKGモニターヘッドホンの中心にあり続けている。さらにより厳密に音漏れを解消するべく密閉型として設計し直されたのが「K271 Studio」「K271 MK II」の流れだ。

さらにこの下位モデルとしてK240系は「K141 Monitor」「K141 Studio」「K141 MK II」、そしてK271系は「K171 Studio」「K171 MK II」と小型ハウジング仕様のモデルが登場。基本的に同一世代のものに当てはまることだが、『MK II』シリーズについてもK240とK271、K141、K171は全て同じ共通のドライバーが搭載されている。

現在はそのさらに下位の「K121 Studio」も登場しているが、今回新登場したK52、K72、K92はそのK121 Studioを含むスタジオシリーズのエントリーモデルと位置づけられ、パーソナル環境での動画配信制作も見据えた、より手頃な密閉型モニターヘッドホンだ。聴き心地の良さも追求したバランス重視のサウンド設計がなされたラインナップといえる。


スタジオシリーズの新入門機3モデルの特徴を整理

K92、K72、K52はいずれも40mmダイナミック型ドライバーを搭載。AKGモニターヘッドホン由来の解像度の高さと中庸なサウンドバランス、そして広いサウンドステージを継承したといい、ベーシックなバランスのK52に対し、K72は低域の押し出しを強めた設計としているという。シリーズ最上位のK92はワイドレンジなサウンドを目指したつくりとのこと。外観としては全体がブラックのK52に対し、ハウジング保持部にシルバー色を配したのがK72、アーム部やハウジングにゴールド色をあしらったのがK92となる。


装着するだけでヘッドバンドの長さを調整できる「セルフアジャスト機能」を搭載

本体は軽量。耳を覆うイヤーパッドとあわせ快適な装着感を実現
ヘッドバンドはそのまま装着できる上級機譲りのセルフアジャスト機能を採用しており、耳覆い型のソフトな人工レザーイヤーパッドとともに快適な装着性を実現した。重量も200gと軽量級だ。インピーダンスは32Ωと低く抑えられ、スマホ直結でも余裕で鳴らし込むことができる点が初心者にもやさしい設計といえる。ケーブルは片出し方式で着脱はできないが、本体価格を考えれば納得もできるだろう。なおプラグ部はK92のみ金メッキ仕様となっている。

それでは各モデルのサウンドについて、モニターを意識し、再生側もソニーのポータブルレコーダー「PCM-D100」を用いて試聴してみた。

実際のサウンドをテスト

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