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<山本敦のAV進化論 第132回>

HTCのフラグシップスマホ「HTC U11」速攻サウンドレポート。USB直結デジタルイヤホンを聴く

2017/05/17 山本 敦
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力を入れてきたスピーカーサウンドも生まれ変わった

国内モデルでは「HTC J butterfly HTV31」から「HTC 10」に受け継がれてきたハイパフォーマンスなスピーカーシステムだが、HTC U11ではより強化された。なおHTC 10までドルビーオーディオの技術も採用されていたが、本機のスピーカーはHTCが独自にチューニングしたものだ。

今回もスピーカーサウンドに力を入れた

エンクロージャーの中にホーン形状の音道を成形して音圧を高める工夫が最新モデルにも盛り込まれている。設計の詳細については明らかにされていないが、発表会場で行われていたiPhone 7との比較デモンストレーションでは、HTC U11の方がよりノイズが少なく、鮮明な定位感が得られた。

HTC U11とiPhone 7 Plusのスピーカーサウンドを比較するデモが行われた

前機種のHTC 10では本体を横向きに構えたとき、左右の位置に来るスピーカーユニットが両方ともフロント側を向いていたのだが、HTC U11では片側のスピーカーが本体の下向きに配置されているため、これが聴感にどんな影響を与えるのか気になった。あいにく今回のデモ環境ではシビアなチェックができなかったので、こちらもハンドリングの機会に確かめたい。

フロント側に向かってスピーカーを1基配置、もう一基はボトム側に配置している

そしてBluetoothのオーディオコーデックが発表会時点で不明だったため現在確認中だ。HTC 10ではaptXとSBCに対応していたので、おそらく同じ仕様ではないかと思うが、判明後にまた報告したい。

スピーカーサウンドもシアターと音楽からモードが選べる

ビデオ録画時に3Dオーディオ録音に対応。機能はオン・オフを選べる

HTCの成熟したオーディオ開発環境

HTCでは台湾の桃園市に構えるR&Dセンターにオーディオ専任チームを配置して、スマートフォンやイヤホンの音響技術を開発。サウンドのチューニングも独自に行っている。

台湾・桃園市にHTCが構えるR&Dセンター(右側建物)とスマホなどのプロダクトを製造する工場(左側建物)

チューニングを追い込むプロセスでは開発者たちの独りよがりにならないよう、プロトタイプによるユーザートライアルを何度も積み重ねながら周囲の声に対して耳を傾けている。フィードバックを受けて、細分化された部門の各エンジニアが研究施設内に構える無響防音室とライブなリスニング環境を想定したオーディオリスニングルームのそれぞれで丁寧に音質を追い込んでいく。

R&Dラボの中にあるオーディオ研究・開発施設の無響防音室。ここではスマホの音声通話の品質チェックも行われる

そして、最終的にはチームに在籍する3〜4人のエキスパートがお墨付きを与えたサウンドが製品に反映される。HTC U11のスピーカーや付属イヤホンの音も、このように充実した同社の開発環境で練り上げられてきたものだ。

リアルの環境に近いルームチューニングに整えたリスニングルーム。イヤホンやスマホ内蔵スピーカーの評価も行われる

現地時間16日に開催された発表会では、壇上にHTCのPresident of Smartphone and Connected DevicesであるCharline Chang氏が登壇した。Chang氏は、HTCが去る5月15日にブランド創立から20周年のアニバーサリーを迎えたことについて触れながら、HTCが20年の歩みの中でモバイルデバイス、スマートフォンのイノベーションを最先端に立ってリードしてきたことを強くアピールした。

HTC President of Smartphone and Connected Devices Chialin Chang氏

オーディオ関連では新製品も採用する「Boomsound Speaker」がスマホのスピーカーによるサウンドを革新した技術であるとし、また今回はスマホの本体に4つのスピーカーを搭載し、動画撮影時に立体的な360度サウンドがキャプチャーできる「3Dオーディオ」がHTCらしさを象徴するフィーチャーであると説いた。

スマホの本体を“握る”新しいユーザーインターフェースの「Edge Sense」や、自然言語による音声入力を認識する複数のボイスアシスタントのプラットフォームを積極的に取り込むこと、そして次世代のマルチメディアコンテンツの再生に対応することが今回の課題だったと振り返りながら、Chang氏は「その3つすべてを実現したHTC U11は本当にいいスマホ」とし、新製品への熱い想いを語っていた。

(山本 敦)

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